「レッド・ボックス」で公務を行う姿が初公開されたチャールズ国王(画像は『Clarence House 2021年11月14日付Instagram「Thank you for the kind birthday wishes for The Prince of Wales today.」』のスクリーンショット)

写真拡大

チャールズ国王が、公的書類を配達する“レッド・ボックス(赤い箱)”を隣に置いて公務をする姿が初公開された。バッキンガム宮殿で撮影した写真では、国王の背後に亡き両親の写真が飾られていた。

【この記事の他の写真を見る】

バッキンガム宮殿の公式SNS「The Royal Family」が現地時間23日、チャールズ国王が宮殿の部屋で公務を行う様子を公開した。

エリザベス女王の国葬が執り行われた翌日の20日、国王はカミラ王妃とともにスコットランドのバルモラル城に移動し、7日間の喪中期間に入った。

今回公開された写真は先週、バッキンガム宮殿の“18世紀の部屋(Eighteenth Century Room)”で撮影されたものだ。喪中であるため国王は黒いネクタイを付けている。

女王が崩御後、チャールズ国王は追悼儀式や英国各地を訪問するなど忙しい毎日を過ごしていた。

国王の隣にある赤い箱は通称“レッド・ボックス”と呼ばれ、英国と領土の政府機関や英連邦や他の国の代表者からの書類が収められている。

これらには署名が必要な書類や説明文書、近日開催される会議に関する情報などが含まれている。書類は鍵をかけたレッド・ボックスに入れられ、毎日私設秘書室から君主の滞在先に届けられる。

写真では、チャールズ国王が大きなデスクの前に座り、隣に置いたレッド・ボックスに手を伸ばしている。片手にはペンを持ち、デスクの上の書類に署名をする準備をしているようだ。

箱には青いリボンを巻いた書類や、国王のサイン済みの文書などが入っている。国王のサインは、“Charles”の文字の後にラテン語で「キング(王)」を意味する“Rex”の頭文字を足して“Charles R”と記されている。

国王の背後には、若い頃のエリザベス女王と夫エディンバラ公フィリップ王配を捉えたモノクローム写真が飾られている。

この写真は、夫妻が1951年に女王の父、国王ジョージ6世に贈ったもので国王の死後も家族で受け継がれてきた。

エリザベス女王が1952年に即位した際には、数個のレッド・ボックスが製造された。それ以来女王は70年間の在位中、クリスマスを除くほぼ毎日にわたりレッド・ボックスを受け取っていた。

チャールズ新国王の即位を受け、今月11日には英国の高級革製品メーカー「Barrow Hepburn & Gale」社が国王のために新たなレッド・ボックスを製造していると発表した。

王室の紋章入りの赤い箱は独自のコード化された鍵付きで、何年も使えるように設計されているという。最初は6個以上が王室に届けられ、その後10個から12個の箱が段階的に届けられるそうだ。

画像は『Clarence House 2021年11月14日付Instagram「Thank you for the kind birthday wishes for The Prince of Wales today.」』『The Royal Family 2022年9月23日付Instagram「His Majesty The King’s Red Box」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)