デニムアンドルビーの初子は、友道調教師が「いい動きをする」と期待を寄せるデューデット
厳選!2歳馬情報局(2022年版)
第18回:デューデット
サラブレッドのなかには、たとえGIタイトルには手が届かなかったとしても、記憶に残る名馬が何頭もいる。デニムアンドルビーも、そんな1頭と言えるだろう。
同馬は2013年2月、3歳になってからデビュー。初戦と2戦目はいずれも2着に敗れたものの、3戦目の未勝利戦を完勝すると、続くGIIフローラS(東京・芝2000m)も快勝し、一気にGIオークス(東京・芝2400m)の有力候補に躍り出た。
そのオークスでは1番人気に推されたが、3着に終わった。それでも、後方から息の長い末脚を繰り出して、能力の高さを示した。
そして、秋にはGIIローズS(阪神・芝1800m)を制して、重賞2勝目を挙げる。その後、GI秋華賞(京都・芝2000m)、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)では、それぞれ4着、5着と善戦するにとどまったが、古馬牡馬混合のGIジャパンC(東京・芝2400m)で躍動。7番人気と低評価ながらメンバー最速の上がりをマークして、勝ったジェンティルドンナのハナ差2着という激走を果たした。
以降、古馬となってからも重賞戦線で長らく奮闘。8歳の春まで現役を続けた。その間、勝ち星は得られなかったものの、GI宝塚記念(阪神・芝2200m)2着など、時に大舞台でアッと驚くような走りを見せた。
そんな彼女が引退して4年半の時が経過し、彼女の初子がまもなくデビューを迎える。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するデューデット(牝2歳/父モーリス)である。
デニムアンドルビーの初子となるデューデット
初陣に向けて、精力的な調教を行なっているというデューデット。同馬について、管理する友道調教師はどう見ているのか。関西競馬専門紙のトラックマンが話を聞いてきた。
「デューデットの動きについて、友道調教師は『まだ緩いところがあるけれど、速いラップになるといい動きをする』とコメント。『追いきりを重ねるごとに、しっかりしてきた』とも話していました。ふだんの様子についても、『飼い葉も十分に食べていて、春先より中身を含めてよくなってきた』と言っていて、まずまずの手応えを感じているようでした」
母デニムアンドルビーもデビューが遅かったため、デューデットも今まさに良化している最中にあるのだろう。さらに続けて、先述のトラックマンが友道調教師のデューデットに対する評価を伝える。
「友道調教師によると、『馬体のサイズは440kgほどと大きくないが、柔らかみがある』とのこと。加えて、『母親は管理していないが、牧場の担当者から聞いた話では"母によく似ている"ということだし、いいものを持っていそうなので期待している』と言って、顔をほころばせていました。距離に関しては『マイルぐらいがよさそう』と話していました」
デビュー戦は10月8日の2歳新馬(阪神・芝1600m)。鞍上は福永祐一騎手が務める予定だ。
名牝デニムアンドルビーの子として注目を集めるデューデット。初陣でどんな走りを見せてくれるのか、楽しみにしたい。