南野拓実がモナコの3連勝に貢献。リーグ・アン初ゴールは冷静なポジショニングから決まった
Question
モナコは左サイドバックのエンリケからどのように崩したか?
フランス・リーグ・アン第8節、伊東純也所属のスタッド・ランスと南野拓実所属のモナコが対戦し、0−3でアウェーのモナコが勝利。開幕5戦を1勝2分2敗と苦戦したモナコだったが、リーグ3連勝を達成し、順位も5位に浮上した。
前半22分にスタッド・ランスのブラッドリー・ロッコが一発レッドカードで退場すると、1人多いモナコが主導権を握った。後半2分にアレクサンドル・ゴロビンが先制すると、後半20分にゴロビンに代わって南野が投入される。
すると終了間際の42分に南野が追加点を決めると、直後の45分には南野のパスを受けたウィサム・ベン・イェデルがダメ押しの3点目。南野は1得点1アシストで3−0の勝利に貢献した。
今回は、南野が決めた2点目のシーンをピックアップ。
後半42分、GKアレクサンダー・ニュベルが左サイドバックのカイオ・エンリケにボールをつなぎ、エンリケがルックアップしたところへ伊東が寄せて来る。
左サイド後方でボールを持ったエンリケから、モナコはどのようにゴールを奪ったか
前線を見たエンリケは次の瞬間に、なにを選択して南野のゴールにつなげたか、というのがQuestionだ。
Answer
前線のエンボロに縦パスを入れ、DFを釣り出してフリーの南野へ展開
相手より1人多い状況を、モナコがうまく利用した場面である。
ランスはロッコが退場してからシステムを4−4−1にし、伊東の単独の突破力でカウンターを狙う形を取っていた。
それに対して優位にゲームを進めていたモナコだが、なかなか追加点を奪えない展開が続いていた。様相が変わったのは後半38分頃からだ。
エンリケからエンボロに縦パスが入り、右サイドでフリーになった南野へ展開
1点ビハインドのランスはDFを1枚削ってFWのノア・ジーン・ホルムを投入し、システムを3−4−2に変更して点を取りに行った。この前がかりになったところを冷静に突いたのがこのシーンである。
GKニュベルからエンリケがボールを受けた時、ランスのDF3人に対し、モナコは2トップと両サイドハーフの4人が前線に並んだ。
左サイドのジェルソン・マルティンスと2トップがそれぞれマークを引き連れた。そしてエンボロがエンリケからクサビのパスを受けると、同じタイミングでベン・イェデルが中央から裏へ抜けようとしてDFを釣り出す。すると、右サイドの南野の前に大きくスペースが生まれた。
ボールキープしたエンボロが、右へ素早く展開。抜け出した南野が落ち着いてゴールに流し込んだ。
前がかりになったランスの隙をモナコが確実に突いて、南野のリーグ・アン初ゴールが記録された。フランスで結果が出せずにいた南野だが、このゴールをきっかけにすることができるか注目したい。