静岡県に1億355万円の賠償命令 過重な労働で警察官自殺「長時間労働を制限せず常態化」
静岡県警の警察官が10年前に自殺したのは、過重な仕事が原因だったとして、遺族らが静岡県に損害賠償を求めた裁判について、広島地裁福山支部があわせて1億円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。
遺族側の代理人などによりますと、静岡県警の警部補だった30代の男性は当時、下田警察署の交番長として勤務していましたが、仕事の多さや長時間労働からうつ状態となり、2012年3月に自殺しました。
判決で広島地裁福山支部は、静岡県側について警部補の長時間労働を制限せず、むしろ常態化させていたと指摘したうえで、「心身の健康に配慮すべき安全配慮義務を尽くしたとは言えない」などと述べています。
このため、静岡県に対して、警部補の妻と子に約1億135万円、警部補の両親に220万円の損害賠償をそれぞれ支払うように命じました。
今回の判決を受けて静岡県警は、「判決内容は当方の主張について裁判所の十分な理解が得られなかったもので誠に遺憾。控訴は判決内容を十分に検討した上で対応を決めたい」とコメントしています。