コース料理が何時間もかかる高級店より、“サクッと美味しい食事”が今の気分。

居心地のいい空間で、食べ疲れない料理やワインを楽しむ……。

そんな等身大の過ごし方が、ふたりの距離を近づけてくれるはずだ。

都内でも人気が高い、個性あふれるデートレストラン6軒をご紹介しよう。



※まん延防止等重点措置期間中につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。


1.渋谷で魚介をとことん堪能するなら、ここ!
『PEZ』

「白子と海老芋のフリット焦がしエシャロットチリソース」1,600円(右)、「スープ・ド・ポワソンとルイユ」2,800円(左)

豊かな潮の香りと複雑に混じり合う旨みに大人女子もときめく


「マグロと豚舌、豚耳のテリーヌ」に「白魚炭焼きポワローのオムレツ」etc.。

魅力的な魚介メニューの数々が手書きの黒板を埋め尽くす渋谷の魚介ビストロ『PEZ(ペス)』

「魚介が入っていない料理はひとつもありません」そう胸を張るのは、石浜 綾シェフ、30歳。

子どもの頃から魚介に目がなかったそうで、修業先も、ミシュラン一ツ星の魚介フレンチ『abysse』や魚介ビストロの先駆けでもある代官山『Ata』と聞けば、件のラインナップも納得だ。

加えて「ホテルオークラ」でも6年基礎をみっちり積んだ経験が、料理に幅を持たせている。



レンズ豆とベーコンが添えられた「魚肉のブーダン・ブラン」1,200円


例えば、自慢の「スープ・ド・ポワソン」は魚のアラでとるスープに鶏のフォンで肉の旨みを加え、味に奥行きをプラス。魚介と肉の旨みが凝縮したスープは、最後に白米を入れてリゾットにしても絶品だとか。

「白子と海老芋のフリット焦がしエシャロットチリソース」は、エシャロットの程良い辛みが絶妙で、とろりと濃厚な白子のフリットとも好相性。

さりげないひと捻りが光る魚介料理が女心をつかむこと請け合いだ!



石浜さんのセンスが随所に光る店内


奥渋の遊歩道沿い、姉妹店『CHOWCHOW』と同じビルの半地下に店はある。

店内の壁は、深海を思わせる青みがかった深緑色で美しく、ローズウッドの大きなカウンターも印象的。

デートにもってこいの洒落た雰囲気なのもいい。



〆のスイーツで距離を縮める

「チーズケーキ」900円


〆には人気デザートの「チーズケーキ」をおすすめしたい。

クリームチーズをべースにブルーチーズをブレンドした大人の味わいが評判なのだ。

湯煎で火を入れたそれはコクがあるのに、後味は軽やかなのが特徴。


グルメな大人に人気!東麻布の隠れ家が登場


2.フランス料理とワインを気軽に楽しめる、東麻布の隠れ家
『ユヌ パンセ』

店内の賑わいが通りから見える造りが入りやすい

気取らない暖かい雰囲気が大人たちを惹きつける


麻布十番から赤羽橋方面に歩くこと10分あまり。都心のど真ん中でありながら、どこか懐かしさが漂う東麻布の商店街の一角に、『ユヌ パンセ』は佇む。

アンティークの扉を開ければ、そこはオープンからクローズまでゲストの笑顔が絶えないフレンドリーな空間。

オーナーシェフの馬掘直也さんは麻布十番の人気フレンチ『カラペティ・バトゥバ!』でシェフを務めた経歴の持ち主。

「お客様の声がダイレクトに伝わるように」と、カウンターをメインにしたカジュアルなこのビストロを2019年に開いた。



「フランス産鳩とフォアグラのパイ包み焼きサルミ風ソース」5,000円


「満足度の高いフランス料理をナチュール中心に選んだワインと合わせて、いろいろ楽しんでほしい」と馬堀さん。

その思いからメニューはアラカルトのみで、王道である煮込みやパイ包みも食べ疲れしない優しい味わいに。

店の人気の一品であり、フレンチを代表するパイ包み焼きは、ソースのほろ苦さが鳩の野趣ある旨みも引き立ててくれる。



「アボカドのムースとズワイガニ コンソメジュレ」3,200円


馬堀さんのスペシャリテ「アボカドのムースとズワイガニ コンソメジュレ」も忘れずに。

すだちの爽快さとコンソメのコクでまろやかな味わいにアクセントをつけているのが特徴だ。

遅い時間なら2軒目としての利用も大歓迎!とのことで、気軽にチーズとワイン数杯を楽しむ、なんて使い方をするカップルも多いそう。

肩肘張らずに立ち寄れて日常に彩りを添えてくれる一軒だ。


サク飲みにも快く応じる!

ほっこりする手書きの張り紙


入り口脇にはこんな張り紙もあり、気軽さは折り紙付き。

しかし、そのバリエーションと美味しさについ杯を重ねてしまう。



〆のスイーツで距離を縮める

「加藤さんの苺のミルフィーユ アマレットのアイスクリーム」900円

信頼する栃木の農家から届く、とちおとめを使ったデザートが人気。

苺の甘さとアマレットのリッチな香りが絶妙にマッチする。


圧巻!大ボリュームの豚肉の迫力がすごい


3.渋谷で本場さながらに、肉をガッツリ食べる!
『Bistrot Bar a vin Kodama』

発酵キャベツと塩漬けした豚のスネ肉、肩ロース、燻製ベーコン、自家製燻製ソーセージをじっくりと煮込んだ「シュークルート」4,500円

骨太な味わいと2キロに迫るボリュームに、登場から心奪われる


「日本人向けのアレンジなどは一切なし。フランスのビストロで出される味、量をそのまま提供しています」とは、店主の児玉拓未さん。

濃厚なコク、素材から漂う香り、何人前?と驚くボリューム……。

何もかもフランスそのままという実直な料理たちは、食通たちの舌も魅了するひと皿となっている。




“本場さながら”はレシピから。

鍋で煮込む時間こそ3〜4時間だが、ソーセージは肉の加工も燻製も自身が行い、約3日かけて作成。

豚肉も約1週間塩漬けしたものを使うなど、昔ながらの手法をしっかりと踏襲している。


ワインバーさながらのラインナップ

店自慢のワインはさすがの品揃え

「もっと気軽にビストロ料理と上質なワインを楽しんでほしい」という児玉さんの思いから、合わせるワインは、名のあるドメーヌ・シャトーが手掛けるグランヴァンが中心だが、手頃な価格のものもしっかり用意し、200種以上をそろえる。

自慢のワインは左から「シャトー・フィジャック サンテミリオン2000年」59,000円、「ラ・プス・ドール ヴォルネイ・プルミエ・クリュ レカイユレ 2009年」30,500円、「ドメーヌ ドクールセル ポマールレヴォーミュリアン 2015」32,560円。

ボトルは7,000円前後〜、グラスは1,000円前後〜用意されているので、カウンターはワインバーとしての利用もおすすめだ。




常連にはフランス人をはじめ、クラシックなフランス料理ファンが多いというのも納得だ。

かといってツウばかりではなく、若い男女ふたりで、料理をシェアしながら和気あいあいと楽しむ姿も少なくない。

遠い国フランス。だが、渋谷の宮益坂を上ればたどり着く『Bistrot Bar a vin Kodama』で、大切な人と胃も心もフランスに染まってみてほしい。


〆のスイーツで距離を縮める

「本日のパトリック・ルメルシェフのケーキ」770円〜。画像は「チーズケーキ」770円


元ル・コルドンブルーの教授から購入し、日替わりで提供される「本日のパトリック・ルメルシェフのケーキ」も絶品だ。

この日は濃厚な味わいが特徴の「チーズケーキ」が登場。


白金で世界三大珍味を使ったコースが8,250円!?


4.白金で圧倒的な高コスパを実現するビストロ!
『クロデグルメ』

「ホタテのポワレ カリフラワーのブルテ フランス産黒トリュフ」。料理は全て7皿のコース(8,250円)より

質だけでなく量にも大満足!「世界三大珍味」で魅了するコース


白金と目黒の中間、自然教育園の向かいにある『クロデグルメ』。

隠れ家のような店内は全12席で、シェフの川粼康志さんがひとりで切り盛りする小さなビストロだ。



店があるのは、目黒通り沿いの瀟洒なガラス張りのビル2階。狙うべきは2席のみの“シェフズカウンター”だ


2019年末のオープン以来、高級店が集まるエリアで確かな存在感を放ち続ける理由は簡単。

「フレンチだから贅沢な気分になってほしい。食べ応えもあって、リーズナブルに」というシェフの思いから、一切の妥協がないコースを、驚きの価格で提供しているから。



前菜「イラン産パエリ生キャビアをのせたズワイガニのキッシュ」。キャビアは専門卸『カスパール』から取り寄せ


中でも見逃せないのが、事前予約限定の「プレミアムフルコース」。キャビア、フォアグラ、トリュフという、世界三大珍味を使った料理が盛り込まれたコースだ。

それぞれ産地だけでなくボリュームにもこだわった、典雅にして妖艶な味わいを1万円以下で堪能できる。



「フランス産フォアグラのポワレ 季節のピュレの付け合わせ」。揚げたワイルドライス、乾燥させた生ハムなどを添えて


ここぞの一軒として重宝する一方、夜遅めの時間ならコース料理をアラカルトにセンスのいいワインを嗜む、なんて使い方もアリ。

料理、雰囲気、使い勝手……全てにおける圧倒的な満足度は、シェフの努力とアイデアなくしてはあり得ない。


+4,950円で得られるペアリングの妙!

おすすめのボトルが並ぶ


キャビアには華やかで力強いシャンパーニュ「ピエール・パイヤール」。フォアグラには熟成感のある赤「カン・フェイセス」。

トリュフには樽がしっかりと効いた白「ギブソン ブリッジ ピノ・グリ」など全4杯がつく。


〆のスイーツで距離を縮める

「有機チョコレートの焼き立てフォンダンショコラ」


「デザートもできたてを」と提供されるフォンダンショコラも絶品。

ふわふわで温かなケーキの上にカシスシャーベットを添え、温冷のコントラストが楽しめる。


イタリアが誇る最高峰の泡が勢揃いする、目黒の注目店


5.最高峰のスパークリングワインを目黒で気軽に飲める!
『古澤亭』

スタンダードな「キュヴェ・プレステージ」グラス990円。シャンパンと同じく瓶内で二次発酵させており、泡もきめ細やか

“泡”が注がれる度に気持ちが上がっていき、上質な日常を叶えてくれる


イタリアが誇るスパークリングワインの最高峰、フランチャコルタ。

北イタリアはロンバルディア州東部のフランチャコルタ地方で、熟成期間など厳しい規則を守り造られるものだけが、その名で呼ぶことを許されるスパークリングワインだ。

そんなフランチャコルタをグラス990円と角打ちのノリで楽しめるのがここ『古澤亭』。目黒で話題のフランチャコルタバールである。



カウンターがメインの店内。バールならではのカジュアルな雰囲気が心地良く、会話も弾む


「フランチャコルタは果実味が豊かでふくよか。喉越しもよく、スッキリとしていてナチュールに近い感覚で飲めます」と絶賛するのは、店主の古澤正広さん。

都内人気ホテルで修業後、『アロマフレスカ』の系列店『エッセンツァ』などの名店で腕を磨いた強者だ。



「アボカドとブッラータチーズ」660円。クリーミーな食感にトリュフの香りがよく合う


ここでは、その確かな実力をひと皿660円の小皿料理から味わえるのだから見逃せない。

「フォアグラとじゃがいも」、トリュフもふんだんに使った「アボカドとブッラータチーズ」などの定番メニューの他、季節ごとに旬の食材を使った新しい料理も豊富にそろう。

地下と2階の個室なら、おまかせコース6,600円〜で大切な人としっぽり過ごせる。


フランチャコルタは7種類!

左から「キュヴェ・プレステージ」6,600円。

次に「キュベ・プレステージ・ロゼ」19,800円。「リゼルヴァ・キュベ・アンナマリア・クレメンティ」33,000円。



左から順に「リゼルヴァ・ヴィンテージ・ドサージュ・ゼロ・ノワール」33,000円。「ヴィンテージ・ドサージュ・ゼロ」13,200円。「ヴィンテージ・サテン」13,200円。「ヴィンテージ・ブリュット」13,200円。

スパークリングワインはフランチャコルタのみに絞って豊富に常備。

透き通るような味わいで、スルスルと飲める「キュベ・プレステージ」は、マグナムボトルもある。


〆のスイーツで距離を縮める

「パンナコッタ」990円


「季節のドルチェ」は日替わりで、この日は「パンナコッタ」が登場。

ブルーベリー&ラズベリーソースの酸味が甘さとほど良く混ざり合う。盛り付けもお洒落で華やかなひと皿だ。


大手町で話題の“大人のファミレス”とは?


6.大手町でふらっと立ち寄って、艶やかに過ごすなら!
『BRIANZA TOKYO』

丸の内のビル群が眺められる、開放的なテラス席は全40席。寒い時期にはこたつが導入される

絶景が約束される、抜群の安心感がある“大人のファミレス”


煌めく夜景を目の当たりにしながら過ごす都会のディナー。予約なしでも、そんな素敵なひとときを約束してくれるのが、ここ。

六本木に本店を構える人気イタリアン“ブリアンツァグループ”の5店舗目となる『BRIANZA TOKYO』だ。

東京駅から徒歩1分という立地ながら席数はなんと128席!店内は高級感もありつつ、ふらっと入れるカジュアルさが大きな魅力。



“ブリアンツァ”のスペシャリテ「トリュフのオーブン焼き」1,800円。仕上げにたっぷりのトリュフをかけて


メニューには「トリュフのオーブン焼き」といった“ブリアンツァグループ”定番のスぺシャリテからスペイン製のオーブンで炭火焼きにするビステッカが並ぶ。

さらにはビーガン対応、糖質制限の料理など、通り一遍のイタリアンにはないアラカルトも豊富だ。



日本では希少なスペイン製の炭火焼オーブンで焼く「香ばしく仕上げたアスパラ 名物ジョスパー焼き」1,000円

誰でも気がねなく楽しめる自由度の高さは、まさに“大人のファミレス”。

とはいえ、トレーサビリティのはっきりした食材を用いるなど味に一切の妥協はなし。

目指すのは次世代型のファミレス「ファミレス2.0」だ。

新しいレストランのあり方を示唆する一軒は、大人の日常を豊かにする新たなデートスポットになるに違いない。


リゾート風情が漂う店内も開放的!

天井が高く、贅沢な造りの店内

鮮やかなブルーの椅子は、どこか海外のリゾート地を思わせる。

この洒落た雰囲気が、デートにもぴったりだろう。


〆のスイーツで距離を縮める

「ティラミス」500円

国産マスカルポーネをふんだんに用いたふわふわの食感が魅力のティラミスが人気。

コーヒーリキュールとコーヒーパウダーのほろ苦さが味を引き締めるアクセントになる。



今回紹介したのは、本場仕込みの圧倒的ボリューム、高層ビル群を望む絶景など、それぞれ強みがある名店ぞろい。

肩ひじ張らないレストランデートで、ふたりの仲をグッと深めては?

▶このほか:肉好き女子が集う隠れ家ビストロに、久保史緒里もうっとり♡肉のスペシャリストの名店へ