雰囲気も味も最高!デートに誘える餃子6選
いま、餃子=街中華のイメージを覆す、デートで使えるほど洗練された店が増えている。
ワインと一緒に味わったり、メニューのセンスも抜群だったり、気鋭の人気店ぞろいなのだ。
気になる相手を「美味しい餃子でも食べに行かない?」と誘ってみてはいかがだろう。
今回は、大人のデートにもぴったりな絶品餃子を紹介しよう。
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※まん延防止等重点措置期間中につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
1.港区の地下でいただく本格点心餃子の気品
『スチーム Dim sum&Wine』
口に入れた瞬間、エビの風味がどこまでも追いかけてくる贅沢
六本木ミッドタウンにほど近い、雑居ビルが密集するエリアに店を構えるのは『スチーム Dim sum&Wine』。
妖しげに光るグリーンのネオン管に掲げられた“スチーム”のサインを頼りに階下へと進むと、現れるのは秘密基地の雰囲気をまとった大人の空間。
カウンター越しにのぞく巨大な蒸籠から豪快に上がる蒸気が、ゲストの心を高鳴らせる。
少量多種を楽しめる点心が、女心をくすぐる!
「ストリングスホテル東京インターコンチネンタル」などで経験を積んだ鈴木高輔さんが挑む創作点心は、「本日のおまかせ4種盛り」(4個1,320円)に集約。野菜たっぷりの具材でヘルシー
看板メニューの蒸しぎょうざや焼売は、常時数十種がスタンバイ。そのなかでも不動の人気を誇るのが「エビ蒸し餃子」だ。
海老を叩いてミンチ状にした餡に、殻を炒めて風味を移した海老油や緑竹を加え、さらに海老の卵を練り入れた皮で包み込む。
高温で一気に蒸し上げれば、ぷりぷりふわふわ食感に姿を変えた“海老そのもの”でしかない餃子がいただける。
「エビ蒸し餃子」(2個660円)。皮に透けて見える粉状のオレンジこそ、蝦子(卵)。えびせんのような香ばしい風味を生みだす
白ワインとの相性抜群で気づけば杯を重ねてしまう。リピートへの衝動には、抗わないのが賢明だ。
「骨付きミニスペアリブの豆鼓蒸し」1,360円。
『スチーム Dim sum&Wine』は駅近なうえに、2軒目としてワインバー利用もできる使い勝手の良さも魅力。グラスワインは950円〜。
また「ジャスミン茶&杏仁」など、自家製果実酒も豊富。
【GYOZA DATA】
蒸すことの最大のメリットは、水分をキープできる点にある。
潤ったまま身崩れすることなく、さらにジューシーさを損なうこともないため、ぷりぷりの食感を堪能できる。
月島の焼き餃子は、餡に注がれた上湯スープがたまらない!
2.ワインと餃子のマリアージュが好奇心をかき立てる
『hugan』
どっしりとした重量感をもたらすのは、餡に注がれた極上の上湯スープ
表の顔は庶民的な“もんじゃタウン”だが、その一方で隠れた美食店が点在し、“大人の顔”をも持つ月島。
2017年にオープンした『hugan』は、まさにその後者の好例。
近隣に住む大人たちが、しっとり落ち着いて中華を楽しめるカウンターメインの店として、存在感を高めている。
季節の創作餃子も抜群の美味しさ!
この日は冬限定の「生雲丹の揚げ餃子」もコースに。皮は焼き餃子とは異なり、白玉粉や米粉を使い、パイのようなサクサクした生地が特徴。フランス産のカマルグの塩が雲丹の甘みをぐんと引き立てる
オーナーシェフの鶴岡久也さんによる「おまかせコース」は、全8品。
ファンが多いことからコースのスタメンとなった焼き餃子は、箸で持ち上げた瞬間、想像以上の重量感に驚かされる。
その理由は餡に注がれた上湯スープ。皮がスープを吸わないよう、提供する直前に皮を伸ばして包むという“生餃子”だ。
スープの味を引き立てるよう、餡にはニラ、にんにくといった香味野菜は使わないというのもデートにはありがたい。
「おまかせコース」6,000円の3皿目に登場する焼き餃子。季節によって内容は変わるが、焼き餃子だけはレギュラーメニューだ
黒豚と白菜の甘味がオレンジワインと響き合う、唯一無二のマリアージュだ。
コースの〆に登場する「毛蟹の汁そば」。
銀座からすぐという立地もあり、タクシーで横付けするゲストも多い。
グラスで楽しめるワインは常時15種類ほど。シェフ自らソムリエ資格を持ち、ペアリングも可能だ。
【GYOZA DATA】
カウンター越しにのぞく、ライブ感たっぷりの餃子作りの工程も必見。
黒豚の旨みを引き出す役目を担う野菜は、冬は白菜、春はキャベツと季節によって使い分けている。
ぷっくり愛らしいフォルムの焼餃子はデートにぴったり
3.上原らしい人気店の、カリもち食感の焼き餃子!
『日々の中華食堂』
3種の生地を、包む前にミックスして手延べ。独自の食感がやみつきになる
代々木上原の人気店に共通するのは、料理だけでなく、インテリア、食器、フラワーディスプレイなど、空間を彩るすべてが上質なライフスタイルと地続きであること。
昨夏オープンした『日々の中華食堂』もまた然り。
豪奢ではないが確かな温かさに満ちた空間は、足を踏み入れた瞬間から心地よく、リラックスムードに誘われる。
「焼餃子」1個200円。好きな個数でオーダーできるので、気になるメニューを少しずつシェアしたいデートシーンにはありがたい
メニューには小鉢から点心、メイン、〆に至るまで、食指をそそる料理がずらり。
あれこれ迷う時間も楽しいが「焼餃子」だけは外すことなかれ。
ぷっくり愛らしいフォルムに笑みがこぼれるのもつかの間、味わえばしっかりした歯応えの分厚い皮、あふれ出す肉汁にニラのパンチが畳み掛け、思わず目を合わせるはずだ。
おすすめのペアリングは樽生のシードル。りんごの酸味が油を洗い流し、口内に爽やかな余韻を残す。
皮も具材も変わる水餃子も見逃せない!
包み方、生地の配合も焼餃子とは異なる「スープ餃子」4個850円。ツルツルの皮、シャキシャキの具材、奥行きあるスープが三位一体となった一皿。ヨダレ鶏のタレを加え、味変するのもおすすめ
餃子+αを含め、ふたりの距離を縮める仕掛けはそろっている。
「香鶏のクリスピーチキン 1/2チキンセット」4,000円。
シェフは『重慶飯店』、『中華たかせ』で修業を積んだ鈴木公也さん。四川と広東のエッセンスを巧みに操る。
店頭で販売されている焼き菓子は、お土産に購入する人も。
【GYOZA DATA】
カリカリ感をもたらす浮き粉、餡を支える強度を生む強力粉、モチモチ感に欠かせない餅粉。
3種の粉が究極の“カリもち”を実現。
具材はキャベツと豚肉などオーソドックスな構成だ。
代官山の人気酒場にはファンの多い名物餃子が!
4.SNSを騒がす!人気酒場の名物餃子
『オ山ノ活惚レ』
鰹だしを効かせた和風の味わいは、酒場ならでは!
長く酒場不毛地帯であった代官山に、新風が吹いたのは約3年前。
八幡通り沿いのビル2階に『オ山ノ活惚レ』がオープンするや、大人が普段使いするのにちょうどいい店として、瞬く間に予約困難店に。
「名物 刺身五種盛り」をはじめ、SNSで話題を呼んだ「白子チーズリゾット」など、酒呑みにはたまらない、酒場メニューが楽しめるのがここの魅力。
ファンの多い「お山のギョーザ」もまた、店の人気を牽引する名物だ。
「お山のギョーザ」4個880円。タレはシンプルに醤油、酢、ラー油。まずは何もつけず、そのままで鰹の風味を存分に味わいたい
餡は極限までみじん切りにしたキャベツと豚ひき肉を鰹だしで味付け。
大判の皮いっぱいに詰め込み、一度蒸し焼きにしてから、たっぷりの油で揚げ焼きにして仕上げていく。
外はカリカリ、サクサクで中はふんわり。このギャップが後を引く。
餃子の前後に頼みたい、必食の料理はこちら!
その圧倒的な画力で“映え度”ナンバーワンの「白子チーズリゾット」2,200円。
“五種盛り”を謳いながら、実際には7〜8種のネタが惜しみなく提供される「名物 刺身五種盛り」2人前3,960円
ペアリングには、トレンドのクラフトジンを推すなど、代官山らしいセンスの良さも光る。
感度の高いふたりにこそ、ぴったりだ。
酒場といっても、そこは代官山。ニュアンスグレーのカウンターやネイビーの壁など、このエリアらしいお洒落感も。
ファッション関係の客が多いのもうなずける。
【GYOZA DATA】
経営するのが魚屋母体のグループだけあって、メニューは焼き魚や酒蒸しなど魚介類が中心。
ならば餃子の隠し味にも魚介のエッセンスをと、鰹だしを使うことを思いついたという。
学芸大学のカウンター中華で、“ソースと食べる餃子”をいただく!
5.話題のカウンター中華でいただく、ソースと食べる餃子
『farm studio #203』
肉の存在感の強さが、すだちを効かせたビールと合う
都心から少し離れた場所へ連れ出すなら、それに相応しいだけの新しい餃子がある店がいい。
学芸大学の駅から商店街へ進み、少し入った路地の2階にある『farm studio #203』。
店の名前からはおよそイメージするのは難しいが、ここはれっきとしたカウンター中華の人気店。
「餃子」1個250円。淡路島産玉ねぎに生姜、松の実とマスタード、自家製ラー油をミキサーで攪拌した“ソース”とともにいただく
メニューは小皿から飲茶、いか焼きそばに蒸しパンといった具合に、“自由気まま”な風情の多彩なアラカルトで客を受け止める。
餃子は素っ気ないほどの二文字で記されているが、食べればその新しさに驚くこと必至。
まるでパテを食べているような、舌にねっとりと絡みつくような食感に加え、クリーミーかつ酸味の効いた“ソース”が爽やかに追いかけ、洋とも中とも言い難い、唯一無二の味わいが完成する。
搾ったすだちで清涼感を増したビールとのペアリングも新しい。
すだちビールが進む必食の2皿!
ビッグサイズの真牡蠣を2個、惜しみなく使った「かきオムレツ」1,320円。
海の旨みが凝縮した一皿だ。
「白糠町ラム串焼き」1本880円。クミンとガーリック、ネギとディル、どちらも絶品
『farm studio #203』は、会話が弾むこと間違いなしの一軒だ。
オーナーシェフの茺田利彦さんは『銀座アスター』で10年修業し、2019年に独立。
「自分の目が届く範囲で好きな色を出したい」と、カウンター10席のこの場所を選んだ。
【GYOZA DATA】
餡は阿波匠豚の粗挽きに、同じ徳島県産の阿波尾鶏のハツとレバーをミックスするのが濃厚な味わいの秘密。
もっちりとした皮は『邦栄堂製麺所』のもの。
台湾屋台さながらの雰囲気がデートを盛り上げる!
6.まるで台湾屋台のようなフランクさがデートを盛り上げる!
『大衆ギョーザスタンドウーロン』
食感に違いが出るのは、提供直前に包み上げるからこそ
ここ数年の台湾ブームと旅行が思うようにできない反動からか、台湾をテーマにした酒場が増えつつある。
しかも、今っぽいエッセンスを加えているのが令和流!注目の一軒が『大衆ギョーザスタンドウーロン』だ。
店を構えるのは服飾系の問屋が連なる馬喰横山。店まで続くどこか下町風情の街並みは、歩くだけで非日常感を後押し。
さらに店の扉を開ければ、台湾屋台さながらの雰囲気がふたりを一気に小旅行気分へと誘っていく。
「水餃子」4個450円。小ぶりながら、皮のもちもち感とイベリコ豚の濃厚な旨みで食べ応えあり。他に「香菜水餃」、「紫蘇水餃」も
名物の「水餃子」は、完全なできたてで提供するのが店のこだわり。
味の要となるイベリコ豚はその日使う分しか挽かず、オーダー後に皮を手延べし、ひとつずつ手包み。ガラス張りの作業台で、その様子が見られるのも一興だ。
ペアリングには、烏龍茶の茶葉を使用したオリジナルのクラフトビールに氷を入れて楽しむスタイルを提案。
『大衆ギョーザスタンドウーロン』は、新しき餃子体験を叶えてくれる。
中華と和のコラボを体験できる料理はこちら!
丸鶏の半身を低温で火入れした「ヨダレ鶏」980円。
黒酢と豆板醤を合わせたピリ辛のさっぱりダレでいただく。
八角と烏龍茶で味付けした煮卵がのった「とろけるポテトサラダ」550円。
ネオンサインに書かれたメニューの下には、餃子の包み方が図解されたイラストが。
デートなら、ガラス張りの餃子台の横に2席だけあるカウンター席を狙いたい。
【GYOZA DATA】
星付きシェフがレシピを監修。
最大のポイントは粗挽きのイベリコ豚と煮こごり状のスープを合わせた餡。
食べるとまるで小籠包のように熱々のスープが飛び出すので要注意。
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本格的な美味しい餃子を、雰囲気の良い空間でいただく。
今っぽさ抜群の餃子デートで、ふたりのムードが盛り上がることは間違いないだろう。
▶このほか:楽しくって美味しい!あの人気店が手がけた“エンターテインメント鮨”