会見を行う李氏(左から2人目)=20日、北京(聯合ニュース)

写真拡大

【北京聯合ニュース】韓国の大韓体育会(韓国オリンピック委員会)の李起興(イ・ギフン)会長は20日、北京冬季五輪のメインメディアセンターで記者会見し、スピードスケートショートトラックの判定問題について、「当初はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴するとしたが、最終的な結論は提訴しないことにした」と明らかにした。

 7日に行われたショートトラック男子1000メートル準決勝では韓国の黄大憲(ファン・デホン)が1組で1位、李俊瑞(イ・ジュンソ)が2組の2位でそれぞれゴールしたが、不可解な判定でいずれも失格となった。韓国選手の失格により、中国選手が決勝に進んで金メダルを獲得し、韓国内で判定を批判する声が高まっていた。

 大韓体育会は8日に会見を開き、CASに提訴する方針を明らかにしていた。

 だが、李氏は「判定問題が浮上した後、国際スケート連盟(ISU)会長と5回ほど面会し、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長とも話をした」として、「国内の世論などわれわれの立場を伝え、その事件後はISUでもそれなりに努力していることが見えた」と提訴を断念した理由を説明。「韓国だけでなく、他国でも判定問題を提起し、大会終盤は状況が良くなった」とし、「主審も交代するなど、改善の意志が見えた」と評価した。

 また、「国内で国際大会の開催も控えていて、実益のことも考慮した」として、「われわれの選手たちが被害を受けた試合が決勝ではなく準決勝だったため、訴訟を起こして勝ってもわれわれが得る利益があまりないと判断した」と説明した。その上で、「十分に問題提起をし、効果もある程度得たと考え、選手団、弁護士と相談し訴訟を起こさないことにした」と述べた。