空カプセルの回収は06年から行っており、21年4月からプロジェクトのために規模拡大した

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2月17日は「ガチャの日」だ。カプセル玩具企画販売のペニイ(東京都葛飾区)が制定した。ガチャとは、カプセル入りのおもちゃ「カプセルトイ」のこと。中身を取り出したら、容器のカプセルは不要になる。

近年、「脱プラスチック」に向けた様々な動きが見られる。プラスチックを原料としたカプセルは多いが、メーカーはどう「プラスチックごみの削減」に取り組んでいるのか。「ガシャポン」の空カプセルのリサイクル事業「ガシャポン カプセルリサイクル」を21年9月に始めた、大手玩具メーカーのバンダイ(東京都台東区)を取材した。

「リサイクルエコカプセル」を市場投入

ガシャポン カプセルリサイクル」はバンダイバンダイナムコアミューズメント(東京都港区)、バンダイロジパル(東京都葛飾区)の3社によるもの。バンダイナムコアミューズメントが運営する国内4店舗のガシャポン取り扱い店舗などで回収した不要な空カプセルを、物流サービスを手掛けるバンダイロジパルが回収・配送し、プラスチックの再生加工などを行う関越資材(埼玉県羽生市)で再資源化する仕組みだ。

空カプセルを、カプセルの原料となる「ペレット」(リサイクルペレット)の状態に戻し、通常の「ペレット」(バージンペレット)に混合して成型したものが、「リサイクルエコカプセル」だ。バンダイ経営企画部広報チームによると、「リサイクルペレットの現在の配合率は20%。将来的には配合率50%を目指している」。

「リサイクルエコカプセル」は、通常のカプセルよりも少しにごった色合いになるが、それ以外には大きな差はないという。新商品のカプセルとして既に22年1月から市場投入されている。再生して出荷した個数は「2月発売の商品までで約60万個」だ。

スピードアップを図る

2021年9月の発表資料を見ると、21年4月〜22年3月末までの空カプセル回収量は20トンと見込んでいた。ファイ5センチ(丸い形状での直径5センチ)のガシャポンカプセル400万個相当だ。広報チームによると「計画以上に回収できている」。ただ、課題もある。

「回収されたカプセルから、プラスチック以外のごみが混ざっているものを分別する工程に時間を要しており、スピードを上げるための改良・改善を計画しています」

プラスチック問題はしばしば、SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)目標14「海の豊かさを守ろう」と結びつけて考えられる。2016年のダボス会議(世界経済フォーラム)で、「2050年には海洋中のプラスチック量が、魚の量を超えるだろう」との試算が発表されるほど、プラスチックごみによる海洋汚染は深刻だ。リサイクルによる資源循環は欠かせないが、そもそも「プラスチックを生み出さない」ことも重要になる。

バンダイは2007年6月に、再生可能な植物由来の有機資源であるバイオマスから生まれた「バイオマスチップ」を使用したガシャポン「アースカプセル 昆虫採集」を発売した実績がある。今後、「自然素材だけでカプセルを作る」取り組み予定を尋ねると、「検討してまいりたい」と回答した。