車掌と乗客でトラブルになった(写真はイメージ)

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あごマスクで阪急電鉄の電車の座席に寝転がっているのを注意した車掌に対し、乗客の若い男性が逆ギレする映像が動画アプリ「TikTok」に投稿され、ツイッターなどで拡散している。

このトラブルに対し、阪急電鉄は、「体調が悪いかもしれないお客様にお声かけする対応の1つ」だったと取材に説明したが、詳しい内容については、「お客様との話になりますので、お答えできません」と話した。

「ご理解いただけないんですか?」に「空いてるやん」と反論

「とりあえず謝れや。叩いたよ」。紺色のジャンパーに薄茶のズボンを履いた男性は、足を組んで仰向けに寝そべりながら、注意しに来た車掌に対し、こう主張した。マスクは、あごにかけている。

右腕を示して、「痛いよ」と言い、起き上がると、「電話するからね」とスマートフォンを右手に持って出した。

男性は、座席に座り直すと、自分の右側の座席を指して、こう車掌に言い返す。

「空いてるやん、ガラガラやん。何があかんねん」

車掌が「ご理解いただけないんですか?」と強い口調で呼びかけると、男性は、うなずいて、同じ言い分を繰り返した。車掌がさらに「2席分、寝転んでいます」と説明すると、男性は、スマホを車掌に向けて写真を撮った。

車掌は、スマホを押さえ付け、これに対し、男性は、「暴行罪ね、はい、暴行罪」と車掌の手をつかむ。車掌が「写真はあかん」と言うと、男性は、立ち上がって、車掌と話をしていた。

このとき、男性の背中が見え、ある大学の名前や校章がジャンパーに入っていた。

この40秒強の動画がTikTokに投稿されると、ツイッターで2022年1月27日に動画が次々に転載され、まとめサイトなども取り上げる騒ぎになった。男性の行為に対して、マナー違反を非難する声が相次いでいる。

「車掌以外の者もお客様と話したが、内容はお答えできない」

乗客男性とのトラブルについて、阪急電鉄の広報部は1月28日、J-CASTニュースの取材に対し、宝塚線内で実際に起きたことだと認めたうえで、こう答えた。

「お客様が寝そべるなどしているときは、体調が悪いかもしれません。車掌がお見かけしましたら、『大丈夫ですか?』と一声かけることにしており、その中の対応の1つになります。その後に、車掌以外の会社の者がこの乗客の方に話をしています。内容など具体的なことは、お客様との話になりますので、お答えできません」

警察を呼んだのかなどについても、答えられないとしている。

体調が悪くないにもかかわらず座席で寝そべる乗客への対応については、こう説明した。

「周囲に他のお客様もおり、座れない場合も考えられますので、そのお客様には、座っていただけませんかとお願いすることにしています」

男性のジャンパーに名前があった大学の広報課は28日、次のように取材に答えた。

「昨日からたくさん問い合わせが来ていますが、そのような学生がいるのか特定には至っていません。もし本学の学生だとしたら、適切な指導をしなければいけないと考えています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)