ついに橋脚出現「等々力大橋」 目黒通りが多摩川を越える 完成後どれだけ便利に?
港区から世田谷区へ延びる「目黒通り」。いまは多摩川で途切れていますが、神奈川県川崎市へ渡る「等々力大橋(仮称)」の建設が進んでいます。その橋脚がついに見えてきました。どのような橋になるのでしょうか。
2025年開通目標で事業中
港区の白金高輪駅付近から南西へ、目黒駅や都立大学駅などを結ぶ「目黒通り」。2022年現在は世田谷区等々力付近で道路が途切れていますが、多摩川を越えて神奈川県川崎市へ渡る「等々力大橋(仮称)」の設置工事が進行中です。
「等々力大橋(仮称)」の完成イメージ(画像:川崎市)。
目黒通りは東京都の都市計画道路「放射3号線」に位置づけられています。当初は等々力の環八通り交点までの道路でしたが、1988(昭和63)年、多摩川を越えて川崎市まで架橋する計画が決定。2007(平成19)年までに架橋地点の手前まで完成していました。
このすぐ上流には第三京浜の橋があるものの、有料の道路です。無料道路の橋は、二子橋〜丸子橋間で約5kmも離れており、等々力大橋はその中間付近に架けられます。川崎市に入ったあとは川崎市の都市計画道路「宮内新横浜線」に直結する予定です。川崎市内で途切れますが、その名の通り新横浜駅までを結ぶ構想がある道路です。
「宮内新横浜線」は半分以上が開通済み。「等々力大橋」のたもとから約700m南西の西下橋交差点から高津区子母口(しぼくち)までが2006(平成18)年に、新横浜駅から港北区新吉田南交差点までが2002(平成14)年に、その少し北側の地下鉄高田駅周辺の区間が2021年に、それぞれ4車線で開通しています。蟹ヶ谷周辺が主な未事業化区間となっています。全通すれば、都心と新横浜までが4車線道路で直結することになり、京浜間の新たな大動脈となることが期待されます。
等々力大橋の工事は、まず2020年6月までに護岸工事が完了。それに続いて現在、川崎市側の2基の下部工、つまり橋台と、その隣のP3橋脚がそれぞれ進められています。工期は2022年6月まで。川の水位が低く、大きな降雨もない冬の時期(非出水期)にかたをつける形で行われます。
今後、同様に冬季を中心に下部工の工事を進めたのち、橋桁を含む上部工を経て、2025年の完成が予定されています。