潜水艦への攻撃も可能だとのこと。

シリアで獲得したノウハウが詰まった改良型

 ロシアの国営航空機メーカーであるUAC(ユナイテッド・エアクラフト・コーポレーション)は2022年1月21日(金)、ロシア軍に対して新型戦闘機「Su-30SM2」の納入を開始したことを明らかにしました。

 Su-30SM2は、従来のSu-30戦闘機の最新型です。Su-30シリーズは2人乗りの多用途(マルチロール)戦闘機で、-SM2はさらにその改良発展型であるMKI系列と呼ばれるカナード翼(小翼)が増設されたタイプの最新型となります。

 説明によると、開発にあたってシリア内戦の戦績がフィードバックされているとのこと。ロシアは2015年9月以降、シリア国内のバッセル・アル・アサド国際空港やフメイミム空軍基地などに複数のSu-30SMを派遣し、同国反政府勢力への攻撃を行っていました。その際の運用実績などをもとに手が加えられているそうです。


ロシア海軍航空隊に配備されたSu-30SM2多用途戦闘機(画像:UAC)。

 Su-30SM2は、従来型と比べてより高性能なエンジンや新型のフェーズドアレイレーダーを搭載したことなどで戦闘能力が劇的に向上しているとのこと。同時に、操縦性もアップし、行動範囲も拡大しているといいます。

 ほかにも、これまで以上に幅広い武装に対応可能な能力が付与されたことで、地上目標だけでなく、敵の艦船や潜水艦にも攻撃を加えることができるとしています。

 なお、現時点でSu-30SM2の納入はロシア海軍航空隊に限られているものの、将来的にはロシア航空宇宙軍にも配備される予定だといいます。