鍋の中でも人気が高い濃厚スープの「水炊き」。

しかし、食べ進めると具材から水がでて濃厚さが薄れてしまったり……という経験はないだろうか?

そんな現象とは無縁の、最後まで濃厚な水炊きを堪能できる東カレ一押しの名店をご紹介する。



※まん延防止等重点措置期間中につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。



「水炊き」1人前2,750円(写真は2人前)。スープ内に鶏が入った状態で提供される。まず、スープを塩で楽しみ、鶏は塩やポン酢でシンプルに味わう。その後、つくねと野菜を入れて、煮込んでいく。スープの変化も楽しい
シンプルで濃厚な水炊きほど、旨みを感じる鍋はない


田町駅から歩くこと7分。周りに店はなく、こんなところに?と不安になる立地ながら、客が絶えないというから驚きだ。

こちらは、和食店『器楽亭』で裏メニューだった水炊きを楽しめる一軒。

多くの人を魅了する『水炊き鼓次郎』の水炊きは、まず10時間以上かけて取る出汁が命。強火で炊き続ける鍋を見守り、2日がかりになることもある。

「真面目に作ること以外に秘訣も秘密もありません」と店長の藤岡誠治さん。素材の力を引き出す、その手間だけが旨さのコツなのだ。


こだわるのは、こっくりと濃い味でありながら、脂っこくない飲み干せるスープ。そのために鶏ガラ、ゼラチン質の高いもみじなどを大量に使い、鶏の持つ味を抽出する。

一方、具材の鶏肉は「食べて美味しい」に特化して厳選。弾き返してくるような鶏の弾力に目を見開き、スープをまとった具材たちの変貌ぶりに驚く。

最高峰の水炊きはシンプルゆえに、飽きが来ない。何度でも足を運びたくなる存在だ。


― CLOSE UP!―


美味しいと評判のポン酢は日々進化している。現在はカボスの香りをプラス。




具材として食べる肉は骨のない、火を入れてなお柔らかい上質な部位を選定。

銘柄は決めていないが、主に味、食感、香りの良い大山鶏と信玄鶏を中心とした銘柄鶏であることが多い。


◎鍋のお供におすすめ◎


丸々とふっくら仕上げた「鶏の唐揚げ」(4個)550円も名物。

パリッと薄めの衣の食感が軽やか。揚げてから5分ほどじっくりと余熱を回すことで、驚くほどジューシーな仕上がりに。




全体に気さくな雰囲気が漂い、居心地のいい店内。多彩な酒が揃い、鍋を挟んで気の置けない間柄で語らうのにぴったりな空間だ。

スタッフとの会話が楽しめるカウンター席が人気。


店長に聞いた推しの〆
〜味が凝縮した最高峰の鶏白湯ラーメン〜





濃厚な鶏だしは「こだわりの極細麺で最後まで楽しんで」と店長。

揖保乃糸の故郷・播州で作られるコシのある麺によく絡み、優しく腹を落ち着かせる。

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