「ハッブル宇宙望遠鏡」の後継として2021年末に打ち上げられた「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の主鏡が完全に展開されました。今後、場所をラグランジュ点(L2)に移し、高い精度での観測が行われる予定です。

NASA’s Webb Telescope Reaches Major Milestone as Mirror Unfolds | NASA

https://www.nasa.gov/press-release/nasa-s-webb-telescope-reaches-major-milestone-as-mirror-unfolds

ハッブル宇宙望遠鏡は1990年に打ち上げられ、地上からでは行えないような天体観測を行ってきました。当初、運用期間は15年が予定されていたものの、初期に見つかった不良を修理したことで高い性能を発揮できるようになり、運用期間が延長され、以後も故障のたびに修理が行われ、2022年に入っても運用が続けられています。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡の後継機として開発され、幾度かの延期を経て、2021年12月25日に打ち上げられました。

The Launch of the James Webb Space Telescope - YouTube

打ち上げ後、構造物の展開などが行われた後、1月4日にサンシールドが開き、続いて、機内に折りたたまれていた望遠鏡の主鏡が展開されました。あくまで展開が完了しただけで、これから数カ月かけて、それぞれの鏡の背面にあるアクチュエーターを用いて鏡の向きを調整することになります。最初の画像が地上に送られてくるのは2022年夏になる見込み。

また、位置もラグランジュ点(L2)へと移されます。極めて高精度な打ち上げに成功したおかげで、ラグランジュ点への移動時に用いる推進剤の量を節約することができるため、5年〜10年の予定だった運用期間はもうちょっと長くなるとのことです。

Animation: The James Webb Space Telescope's Orbit - YouTube