11月12日に開かれた、ZIPAIR Tokyoの東京/成田〜ロサンゼルス線就航記者会見の、西田真吾社長の質疑応答一問一答。

ー運賃は変動すると思うが、既存のフルサービスキャリアと比べたイメージを。運航規模はまだ需要が限られている中で、週3便の運航をやるのか、一定程度の減便も検討しているのか。

フルサービスキャリアも季節によって値段がいったりきたりするとこはあると思います。我々のイメージはフルサービスキャリアの半額を目指しているとこれまでも申し上げて参りましたが、特にフルフラットについては、相手方の対象を何にするかっていうのはありますけれども、かなり価格競争力があると思ってまして、フルフラットになれる、寝れるという機能に着目をすると、フルサービスキャリアのビジネスクラスからすると、4分の1ぐらいの値段でご提供できてるという風に思っております。

スタンダードについても、季節季節でいわゆる売れ残りの座席の格安航空券みたいなことをフルサービスキャリアもなさる場合があると思いますが、それよりもかなり安くなっておりますので、価格競争力を一定程度もっている。

ロサンゼルス線週3便を最初からやれるのかということかと思います。ロサンゼルス線については我々の現在の需要予測では、航空貨物の需要も非常に強く頂いていて、需給が逼迫しているとみております。よって、お客様がお乗りいただいているのは嬉しいですけど、それがもしならなくても運航自体は週3便を当初からやっていこうと思っております。

当然のことながら、運航に必要な経費を賄えるか賄えないかというのを便ごとに非常に細かくみながら、減便をしたり、臨時便を張ったり、他の航空会社同様、みながらやっている。ロサンゼルス線は週3便相当の航空貨物の需要は必ずあると思っている。お客様もお乗りいただけると思っている。ちょっと気が早いかもしれませんが、需要の強さを見極めながら、週3便をどこかでデイリー化、毎日運航になる日も来るのではないかと期待しています。

ーお客さんの動向の予測ですが、日本人と外国人の比率はどれくらいとみているか。アジア路線との際際接続の取り込みはどう考えているか。貨物の価格設定が緩和しても価格維持ができるのか。

我々日本の航空会社で、日本マーケットにある航空会社でございます。日本人の方が多くかなと思いつつ、海外のお客様の需要もこれまで十分に取り込んできております。

約半々だなあというイメージでおりましたが、現時点では、特にソウル線はビザウェーバーが凍結されているということもございまして、今は韓国籍のお客様が大きくなっている。外国人のお客様のほうが多いのが実情。

我々LCCですので、A地点からB地点のセグメントの売り切りということで現在やっておりますが、自社と自社を繋ぐ際際乗り継ぎも準備をしているところです。整い次第ご案内を申し上げたい。まさに東南アジアから日本、日本から北米、またその逆というお客様もターゲットに販売していこうと考えています。

貨物なんですが、しばらくこの需給がタイトな状況が続いて欲しいと期待しているところがありますが、ゆくゆく需給が緩和されて、航空貨物運賃の単価が下がってきたということがあっても、その時期には旅客需要が、人間の方が自由に行き来できる環境が整っているふうに考えておりますので、航空運賃そのものは我々このレベルでやっていこうと思っております。

ー今回の就航で、LCCとして米国本土と日本を結ぶのは史上初ではないかと思うが、その点の感想を。北米の別都市や欧州といった長距離路線の展望を。

ご指摘の通り、日本と北米を結ぶLCCというのは史上初ですし、日本をアジアに置き換えても、アジアと北米を結ぶ旅客定期便を渡しているLCCは今までございませんでしたので、西海岸に行けるのは初でございます。

北米、一丁目一番地ということでロサンゼルスを選ばせていただきました。元々西海岸いろんな都市がございますし、それぞれ性格が違うという路線もございます。

コロナの環境のもとで考えることと、元々の創業当時、事業の計画を作ってた当時と考えてたことが多少環境が変わっておりますので、臨機応変にやってきておりますが、今後ですね、北米、カナダの西海岸からアメリカの西海岸まで、大きな都市、候補地たくさんございます。日系のお客様がどれくらいいるか、アジアのコミュニティがどういった活況にあるかを調べながらやっていきたいと思っております。

あのこれは言うと日が早いし、またお客様が動ける環境でございませんので、難しいことなんですが、ラスベガスという街もありまして、ゆくゆくといったレジャー、ファミリーで行けるリゾート、こういった路線も加えれたらなという風には思っております。ちょっとまだあのこういう状況ですので、今早いところでございますが、そういう選択もできればと思います。

ーアジアと北米を結ぶLCCは初ということなんですが、太平洋を超えるLCCは初めてみたいな説明もあったと思う。そのあたりを整理して教えて欲しい。

北米といった時に、ホノルルには過去にもLCC飛んでいたし、我々も飛んでいる。アメリカ本土に到達しているのは初めてということになります。そういった意味で、あの太平洋を渡る、横断をしたというのが初めてになるかなという風にご理解いただければと思います。

ーそういう路線を開設できることについての感想、考えのようなものが1つ、改めてなぜ太平洋を越えるLCCを運航したいのかという意義は。

機材を選択する時に、ボーイング787-8という機材を選択させていただきました。この787、日本のメーカーも製造の一翼を担ってなっていただいて、非常にあのいい航空機だと我々は思っておりますが、特徴は機内の客室の快適性が非常に高い。これは湿度ですとか、気圧だとかという調整が非常に人間に優しいということもあるんですが、やっぱり第一の特徴は航続距離が高い。このワイドボディ機の中で航続距離が非常に大事になります。

もう1つは燃費が非常にいい。この特徴を最大限活かせるのはやはり長距離だろうというふうに思っています。中長距離LCCモデル、ヨーロッパでもアジアでもいくつか事業起こしては非常に苦しい時期を迎えてる仲間もいますけれども、我々が少しよその中長距離LCCモデルと異なると考えているのは、日本の東側には太平洋っていう広大なエリアがあって、ここを渡り切るというLCCが今までなかった。よって、需要は非常に成長するし、太いけれども、戦っているモデルのはフルサービスキャリア同士での戦いが行われていただけで、LCCのモデルをそこに持ち込んだことは誰もしてこなかったということにある。

我々は日本航空グループの会社でございまして、フルサービスキャリアとして切磋琢磨をしてるのを横目に見ながら、全く違う考え方のオペレーション、機内サービス、販売方法こういったものに挑戦をして新しい選択肢をお客様に提示するというミッション、存在意義があるだろうなというふうに思ってここまで準備をしてまいりました。

これも手前味噌ですが、コロナ影響を全世界で受ける中で、この影響が緩和され、ポストコロナ、あるいはコロナのトンネルを抜けたという表記がいいのかもしれません。その先には新しい選択肢が1つできてたという世界が作れるかなという風に思っております。少し住みやすい世の中に我々がすることにあの貢献ができればと思っております。

ーロサンゼルスについて、最終的におそらくいろんな選択肢がでいくつかあって絞ったということだと思うんですけど、最後の決め手になったらどの要素だったのか。目先で限界利益を取れるという前提で飛ばすと思うが、前提になる収入の内訳は。23年度にあの中期計画でJAL全体でLCC事業で120億円の利益と200億円の売上の中で、大半がZIPAIR。23年度に向けて目指す数値的なマイルストーンは。

決め手の一番大きいのは、成田も航空貨物の基地でございますが、ロサンゼルスも航空貨物の基地で、ゲートウェイとして高い機能を持っている。そこの2地点間の航空貨物が非常に高水準であるのが、最終的に一番大きな決め手。

我々の少しスケベ心を申し上げると、今の路線開設の準備にリソースを投入し、開設しておくと、当面は貨物収入の下支えがある。加えて将来、旅客の回復期には非常に大きな旅客需要がもともとある空港ということで、一丁目一番地。

当然運航するからには、限界費用をこなして、利益をそれなりに生まなきゃいけない。会社全体の赤字を消すというようなところまではまだ行かないかもしれませんが、少なくとも赤字を減らすということは期待をしている。

23年度に向けて言うことですが、コロナ影響が長引いているですとか、あるいはこう我々にとってみるとですね。ボーイング787は非常にいい航空機でございますし、今のところ今回の3号機、その次とこういう風に順調に入ってくる予定になっていますが、さらにその先になると、もっと手前で来るはずだった新造機、ボーイングからデリバーされる新造機、若干計画遅れということになる可能性がありますので、現時点では具体的なマイルストーンを見直さざるを得ない。22年度中に4機体制に持っていける算段はついています。12月に3号機が来ますが、年度末、3月くらいには4号機をオペレーションに投入できる見込みも立っておりますので、ここまでは計画通り、もしくは計画に近い状態でオペレーション体制を構築し、収入についてはお客様の回復状況次第いうところは否めませんが、日本航空グループの決算発表でもあったとおり、お客様の需要回復は光が差しつつある、ちょっと勇気づけられる材料も見えて使いましたので、あの頑張って参りたいと思います。

ー目先のロサンゼルス線の収入の大部分は貨物ってことか。

下支えさえを頂いてるのはあの間違いなく、イメージ的には2対8くらい(の売上比率)で、旅客2の貨物8ぐらいで今年度内ですね、足元は漕いでと行ければと思っています。

ー4号機の導入による路線便数計画、どこに乗り入れされますか。就航2年目で黒字化の目標を掲げていたが、目標には変更ないか。目標達成の確実性については。

4号機は年度内と申しましたが、以前から話題にしていた台北線は準備がだいぶ進んでいる。日本と台湾両国の関係当局、行政手続きで少し時間がかかっている面は残っている。これが進めばそういったところの路線開設もして参りたい。

加えて、西海岸の上から下までの中でもう1地点くらいいいところを開設していければというふうに思っておりますが、旅客貨物の状況をみながら、最終的に結論をださせていただきたいと思っておりますので、今しばらくお待ちいただければと思います。

運航開始2年目でなんとか単年度黒字を出すんだという目標は持っておりましたが、まだ決算的には半期しか終わってないところでございますが、現実を見るとですね、なかなか厳しいなと言うことございます。

どこかで旅客需要が戻ってくればと思ってやっておりましたが、なかなか厳しいのは事実です。一方で、いわゆるキャッシュバーン、現金流出とかという言葉を使うかと思うんですが、これについてはだいぶ圧縮されて参りましたので、これもお客様の戻り次第ではございますが、どこかであのイーブンに戻して、かつ単月でもいいので、黒字をという月が年度内にくればいいなと思っております。

我々単体では上場しておりませんので、開示できる内容も乏しいところはありますが、我々の年度当初に毎年事業計画、あるいは業績の見通しを立てますが、おかげさまでここまでの感では、年度当初に立てた見通しはだいぶ改善をしているのが実体でございます。

毎便毎便収支をみながら、減便、臨時便の設定を繰り返したり、我々の仲間が日々コスト削減をするにはこうしたらいいんじゃないかと努力していただいているおかげでここまでやってこれております。あの具体的な数字を伴ってなくて恐縮なんですが、以上でございます。

ー油の価格が結構高騰していることで、長距離路線を飛ぶLCCにとって負担は結構大きいかと思うが、今の状況をどう見ているか。

あのまあ世界中でエネルギーを使う産業、みんな困ってらっしゃる最中だと思いますし、我々もあの航空燃油の価格の動向については、非常に神経を使っていると言いますか、心配をしているところです。

最終的に我々の燃油サーチャージという仕組みを使わずにお客様に航空券を販売していこうと思っておりますので、どこかでお客様にご負担をいただく場面があるとすると、運賃の改定というのがあろうかと思いますが、今のところまだこの水準で粘っていけるぐらい。

具体的には、我々が日本航空グループのスケートメリットを使わせていただいているという風に、創業以来申し上げておりますが、日本航空グループの燃油調達の方のスキームを使わせていただいて運航しておりますので、単体でやってるよりは直撃を食らわずにいるのが現実、実際のところです。