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 関西の“しゅうまい”といえば『551』を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、待ってください! 絶品のしゅうまいが食べられるお店があるんです。その名は『一芳亭』。難波に本店を構え、船場店と2店舗展開しています。

 今回お伺いしたのは船場店。地下の飲食店街にありますが、右も左も飲食店が立ち並び、近辺で働く人たちでにぎわっています。その中に行列を作っているお店が『一芳亭』でした。

 正直「しゅうまいでこんなに並ぶの?」と思った筆者でしたが、そんな思いも一口食べた瞬間に覆されました。

 お店の外には定食の見本が並ぶショーケースがあり、みんなこれを見ながらどれにしようか悩んでいる様子です。メイン料理にしゅうまいが5個ついてくる定食がずらり。春巻き定食やえび天定食、きも照り定食など迷いどころ満載なメニューが揃っていて、どれも美味しそう! 迷った挙句、「えび天定食」で名物のしゅうまいを味わってみることにしました。

何個でもいける! ふわふわの「しゅうまい」の正体は?

「しゅうまい」一人前5個入 330円

 しゅうまいといえば小麦粉で作られた皮がオーソドックスですが、『一芳亭』では薄い卵で包んでいるのが特徴。始まりは戦後に小麦粉が手に入らなかったため、代用として薄焼き卵が使用されたのだとか。

 しゅうまいの魅力のひとつは、あのつるっとした皮だと思っていましたが、『一芳亭』の薄焼き卵の皮は主張せず、具をしっかり引き立てていました。

 まずは、ひと口。ふわっ、ジュワ~ッと同時にやってくる具の旨み。「これは美味しすぎる! 柔らかすぎる!」。しゅうまいを少しナメていた筆者ですが、想像を超える美味しさでした。

 具の中身は豚ミンチ、エビ、たまねぎが入っているそう。ほんのり甘みを感じるのは、このたまねぎのおかげのようです。えびの風味はそこまで感じませんでしたが、豚ミンチと一緒に練りこまれることで、絶妙なふんわり感とプリプリさがあふれていました。そして、たまに感じるたまねぎのシャキシャキした食感も良いバランス。

 とくに味付けに特徴があるわけでもなく、薄味であっさりとしています。そのシンプルさが、とにかく美味しい。2個まではそのままでいただきましたが、あとはしょうゆと酢を混ぜたタレとからしで堪能しました。

えび天も侮れない! ふわっ、サクッとしたしゅうまいに負けない旨さ

「えび天定食」のえび天のボリュームにも驚きました。小エビがたくさん使われているえび天は、外はサクサクで中はプリッ、ふわっ。しゅうまいに負けない美味しさです。

「えび天定食」950円

 定食には大きなえび天が5個としゅうまい5個、スープと白ご飯、お漬物が付いています。他のお客さんを見ていても、えび天はかなり人気のよう。横目にほころんだ表情が垣間見れました。

 平日のお昼時は行列必至ですが、席数も多く回転が早いので、並んでも10分程度。たかがしゅうまいと思っていたら、そのポテンシャルの高さにびっくりさせられること間違いなし! 並んでも食べる価値ありのしゅうまいです。

(撮影・文◎道面 梓)

●SHOP DATA

一芳亭

住:大阪市中央区船場中央1-4 船場センタービル2号館B2
TEL:06-6263-1146
営:11:00~15:00 、17:00~21:00
休:日・祝日
http://www.ippoutei.com