12日、都内ホテルで、15日に開幕する「世界経済フォーラム・東アジア会議」について説明する同フォーラム・アジア統括ディレクターのハウエル氏(撮影:吉川忠行)

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世界の政財界や学界のリーダーが一堂に会する「ダボス会議」(世界経済フォーラム年次総会)の東アジア会議が、15日から2日間の日程で、東京都港区の東京プリンスホテル・パークタワーを会場に開催される。

 ダボス会議関連行事が日本で開催されるのは初めてで、アジア諸国など27カ国から300人の参加が見込まれる。日本からは小泉純一郎首相、二階俊博経産相、福井俊彦・日銀総裁らが出席し、インド、ベトナム、シンガポール、インドネシアなど各国の経済・貿易関連の担当閣僚が集結する。

 松下電器産業<6752>の中村邦夫社長、野村ホールディングス<8604>の氏家純一会長、米製薬大手ファイザーのヘンリ・マッキンネル会長らが共同議長を務め、「アジアの統合に向けた新たなる枠組みの構築」をテーマに話し合う。

 12日、会場となるホテルで開いた記者会見で、主催する世界経済フォーラム・アジア統括ディレクターのリー・ハウエル氏は「日本は構造改革でここ数年内向きになっていたが、今や外に目を向けられるようになった。世界や東アジア地域でどのようなリーダーシップを果たすのかということに議論が集中するだろう」と強調。

 60周年の記念事業として共催する経済同友会から同席した小島邦夫副代表幹事(日本証券金融<8511>会長)は「バブル崩壊の過程から復活を遂げつつある時期にこの会議が開かれることは、わが国の外に対する発信のために大変意義がある」と会議への期待を語った。

 世界経済フォーラム(ダボス会議)は、ジュネーブ大学クラウス・シュワブ教授が提唱して1971年に開催された「欧州経営フォーラム」が始まりで、市場競争中心の新自由主義やグローバリズムの流れに乗り、世界のトップリーダーが一堂に会する場として発展した。毎年1月下旬に、スイス東部のダボスで開かれる年次総会には、政財界、学界のリーダーやジャーナリストなど招待客2000人近くが参加する。近年では、米女優シャロン・ストーンさんやアンジェリーナ・ジョリーさんが参加し、話題となった。【了】

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