中国料理のプロに聞いた! 自宅で本格中華ができる中華調味料3選
店頭で売られる「豚まん」は220円と格安 | 食楽web
おうち時間が増え、自宅で本格的な料理に挑戦したいと思う人も増えてますよね。そこで筆者も本格中華に挑戦! と意気揚々に横浜中華街へ。でも実際に何を買えば良いんだろう。考えてみれば中華食材や調味料のこと、全然知らない! ならば詳しい人に聞いてみようと、『耀盛號(ようせいごう)』の店長に、自宅で簡単に楽しめる中華食材を伺いました。
横浜中華街で老舗の中国食材店へ!
店頭には約700点のアイテムがずらり
行ってきたのは横浜中華街で最も古くから中華食材を販売する『耀盛號(ようせいごう)』。創業は1946年、今年で75年を迎える老舗の中国食材の卸です。取り扱う食材は約2000点、ここに来れば何でも揃うと、プロの料理人からも厚い支持を受けています。
お店は横浜中華街の善隣門のすぐ近く、長安道と呼ばれる通りに面しています。店頭には豚まんや焼売などが売られ、ついついふらりと入ってしまう雰囲気の良さ。中に入ればところ狭しと食材がおかれ、見ているだけでも楽しくなるお店です。
店内には耀盛號のオリジナルレシピが貼られているので、持ち帰って試してみよう
今回取材に応じてくれたのは、『耀盛號(ようせいごう)』の店長、加藤暖子さん。勤続年数24年の大ベテランです。趣味は料理とアジア旅行で、これまでに出かけた国は、中国、台湾、タイ、インド、ラオス、カンボジア、ネパール、ブータンなど多数。「一番出かける国は中国。あと数省で中国はコンプリートです。」と語る加藤店長。これは頼もしい! では加藤店長に中華食材のこと、いろいろお伺いします。
これさえあれば本格中華が即できる! 中華調味料3選
加藤店長が選ぶ、簡単おうち中華の調味料はこれ
「自宅にいながら本格的な中華が楽しめたら、しかも簡単に。」という少々無理なお願いをしてみたところ、紹介してくれたのは3つの中華食材。手前から「薬膳風スープセット」、緑色の瓶は「蒸魚シー油(チュンユイシーヤウ/シーは豆へんに支)」、赤い瓶は「麻辣醤(マーラージャン)」です。ずらりと並ぶ商品にどれが良いか迷ってしまいますが、ピントポイントで探してくれました。でも、これどうやって使うの?
「薬膳風スープセット」432円。
中国や台湾旅行でよくお目にかかる薬膳のスープや鍋。日本にはない出汁が美味しくて家でも作ってみたいけど、何が入っているか見当もつかない・・・。そんなことを感じたのは筆者だけではないはず。それが、この一袋を入れるだけでいつもの料理が薬膳スープに変わるというからスゴイ! 「薬膳風スープセット」を使ったいろんな料理を紹介してくれました。
いつものカレーに「薬膳風スープセット」を入れれば薬膳カレーに
原材料は、ナツメや乾燥生姜など4種類入っているので、別々に食材を買わなくて済みます。しかも1袋432円と手頃な価格がうれしい。加藤店長が初めに教えてくれたのは、野菜たっぷりの薬膳スープカレー。野菜や手羽元を炒めてチキンガラスープで煮込む時に、「薬膳風スープセット」を入れるだけ。火を止めていつものカレールーを入れれば、薬膳スープカレーに。風味豊かな漢方の香りが広がってとってもおいしいんです。
スープやお茶に気軽に使えるスグレもの
他にもいつものスープに加えるだけで、薬膳スープが簡単にできます。鶏肉と根菜を入れたスープは、具材と鶏ガラスープに「薬膳風スープセット」を入れるだけ。
もっとシンプルに味わうなら、薬膳風のお茶はいかがでしょうか。お好みのお茶にブレンドするだけで、漢方茶が簡単に楽しめるんです。加藤店長のおすすめはルイボスティーとのブレンド茶。
「薬膳風スープセット」のレシピは店頭でもらえるので、ぜひ試してみましょう。
「蒸魚シー油(チュンユイシーヤウ/シーは豆へんに支)」500mlで422円
次に勧めてくれたのが「蒸魚シー油(チュンユイシーヤウ/シーは豆へんに支)」という蒸し魚に使う醤油で、中国では海鮮料理によく使われています。「日頃、蒸し魚の料理とかあまりしないかも」と思っていると、加藤店長は「蒸魚シー油」を手に取ると、店頭でササっとおいしい料理を作ってくれました。
調理時間は5分程。簡単でおいしい!
作り方はとても簡単。まずうどんを茹でます。茹でたうどんを皿に取ると、そのお湯に油を数滴たらして、ザク切りにしたレタスをサッと茹でます。千切りにしたネギと生姜を加え、「蒸魚シー油」をぐるりとかけ、仕上げに熱したごま油をかければできあがり。ものの5分で、「シー汁(シージャップ/シーは豆へんに支)生菜烏冬」という料理でできました。
これは旨い!旨すぎる! レタスと茹で麺の「チー汁生菜烏冬」
食べてみると、「何これ!」と衝撃を受ける旨さ! こんなに簡単なのに、なんという旨さ。日本の醤油より薄味で、そのまま麺汁のようにかけて食べます。爽やかな醤油にごま油と生姜が効いて、箸がどんどん進みます。これは料理が苦手な人でも、簡単にできるおいしい料理です。これさえあれば自宅でもこの味が再現できると、さっそく購入。もう手離なせない、我が家の一軍調味料となりました。
「麻辣醤(マーラージャン)」358 g で324円
最後は、いちばん人気を誇る調味料の「麻辣醤(マーラージャン)」。ちょっと前まで日本のご家庭における中華の辛みといえば、唐辛子の「辣(ラー)味」主流でしたが、最近では痺れる花椒などの「麻(マー)味」の台頭により、2種類の奥深い辛さが人気となっています。その2つの辛みが一つとなった「麻辣醤(マーラージャン)」。これは一度試してみると、もう手放せないアイテムの筆頭です。
ちょっとだけでも火を噴く辛さ。でも、激ウマ!
水餃子や焼き餃子、いつもの麻婆豆腐、そしてチャーハンにも少し加えるだけで、劇的に本格中華に格上げしたような気分になります。コンビニのサラダチキンで『よだれ鶏』も簡単に作れます。ただ辛いだけじゃなく、痺れる山椒の辛みはやみつきに。358gという大容量で324円という価格も魅力的。これ一つでなんでも使える万能調味料です。
「耀盛號(ようせいごう)」売店の人気商品とは?
左・かわいらしいフォルムのハリネズミまん120円、エッグタルト120円、ごまだんご120円。右・チャーシューメロンパン200円
さらに『耀盛號(ようせいごう)』のに店頭では豚まんやタピオカドリンクなど、食べ歩きにぴったりのフードを販売しています。
いちばん人気は「ハリネズミまん」。ツンツンと生地をたてて揚げた饅頭で、中の餡はカスタード、チョコレート、抹茶の3種類。テレビで何度も取り上げられている人気商品です。第2位はチャーシューメロンパン。香港で火がついて日本へ上陸、メロンパンの皮にチャーシューという一見不思議な組み合わせのパン。食べてみると甘みとしょっぱさが一度に楽しめるという美味しさ。第3位は、エッグタルト。サクサクのパイ生地とカスタードが美味!
名店のあの味がおうちでも楽しめる
食材部門でのいちばん人気は「明蝦巻(ミンハーキン)」(10本1399円)。中華街人気NO.1と呼び声高い「菜香新館」の人気メニューの「海老のウエハース巻き揚げ」と同じ味がおうちでも楽しめるとあって、高い人気を誇っています。威化紙(ウエイハーシー)という揚げると透けるサクサクな皮を使った、ぷりっぷりの海老の食感がたまらない一品です。店頭でも人気のエッグタルト(5個475円)や、50個で933円と手頃な価格がうれしい水餃子も人気なのだとか。
これまで商品がずらりと多いので何が良いかわからないと、購入を躊躇っていた筆者。でもこの3つを試してみて大満足。いつもの中華が格段に美味しくなりました。昨日と同じはずなのに、自分の料理の腕が上がったように感じるんです。これは楽しい! 店内には耀盛號のオリジナルレシピや、料理の小冊子があるので、まずはそれをもとに作れるから便利です。しかもスーパーで購入するよりも格段に安いのも大きな魅力。中華街散歩の際には、ぜひチェックしてほしいお店です。
●SHOP INFO
店名:耀盛號(ようせいごう)
住:神奈川県横浜市中区山下町143
TEL:045-681-2242
営:10:00~21:00
休:毎月第三火曜日(祝日にあたる場合は営業)
●著者プロフィール
矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国などのフォトガイドブックを執筆。近著は『はじめて旅するウラジオストク』(辰巳出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。