今日、2021年2月2日は節分の日だ。

「節分」といえば2月3日のイメージだが、今年は124年ぶりに、2月2日が節分となる。

「立春」が今年は1日早まるため、その前日に当たる節分も1日早まったというわけだ。


今日は節分!(画像はイメージ)

節分といえば、豆まき。家族や友だちといっしょに、家の中に豆をまいて鬼を追い払った人もいるのでは?

しかし、実は、名字が「渡辺」の家では豆まきをしないという言い伝えがあるらしい。

読者の皆さんは、ご存じだろうか。

渡辺さんちの節分事情

この言い伝えについて、ツイッターでは、

「友達のわたなべさん家は豆まきしません」
「渡辺さん豆まきいらないらしいよ〜」
「渡辺さん姓の家では昔から豆まきはやらないの知ってましたか」

など、多くの人が話題にしている。そんなに有名なのか......知らなかった......。

調べてみると、北海道博物館の学芸主幹を務める池田貴夫さんが節分について記した論文「大豆から落花生へ――節分豆の変化をめぐる一考察」(2001)の中には、こんな記述がある。

「名字が『渡辺』なので豆をまかない。昔、渡辺綱が鬼を退治したので、渡辺という家には鬼がはりつかないという」

「渡辺綱(わたなべのつな)」とは、平安中期に活躍した武士。

武将・源頼光に仕えた武士の中でも特に優秀な4人、通称「頼光四天王」の筆頭で、京都の大江山に住む「酒呑童子(しゅてんどうじ)」という鬼や、その子ども「鬼童丸(きどうまる)」を退治したり、羅生門の鬼の腕を切り落としたりといった、鬼退治にまつわる伝説をもつ。

つまり、そんな最強の武士と同じ「渡辺」姓の家には鬼が寄りつかない。だから、豆まきで追い払う必要がない、というわけらしい。

Jタウンネット編集部が2日、池田さんに電話取材し、「渡辺さん家の節分事情」について聞いてみると、

「けっこう有名な話だと思います」

と教えてくれた。一部の地域に限った話ではなく、広く全国で言い伝えられているそうだ。

池田先生が以前、数人の「渡辺」さんに聞いてみたときも、実際に家では豆まきをしないという渡辺さんが何人かいたらしい。

ただ、なぜこのような言い伝えが全国に広まったのかについては、

「はっきりした理由は判明していない」

とのことだった。