久保建英がヘタフェに行って躍動しています。そしてその活躍ぶりを褒め称える記事も増えてきました。

今回の久保の移籍について僕がすごいと思ったのは、ヘタフェ行きを決めるまでの時間が短かったことです。ビジャレアルに残るか、あるいは他のチームを目ざすかというのは本人にしか判断できなかったことでしょう。その決断力は10代とは思えない、けれどもとても久保らしいものでした。

ですが本当なら久保がヘタフェで攻撃の中心になっても、それは当然なのです。マジョルカにいた2年で久保はこのレベルなら十分通用するということを証明しています。今はそのマジョルカ時代からどう成長しているか、たとえばマジョルカのときの4得点をいつ上回れるかということが大切でしょう。「ヘタフェで先発メンバーに選ばれているからすごい」ではないのです。

それに今年20歳を迎える久保は、もう「若い選手が活躍している」と捉えるべきではありません。バルセロナには18歳のアンス・ファティやペドリ、ドルトムントには18歳のジョヴァンニ・レイナ、17歳のジュード・ベリンガム、16歳のユスファ・ムココなどがいて堂々とプレーしているのです。

日本国内の捉え方として久保は「若い」かもしれませんが、海外ではもう久保の次や、次の次の世代も台頭してきていることを忘れてはなりません。

もっとも、それでも久保の年齢でここまでの経験を積んだプレーヤーは日本にはいません。そして久保の活躍はヘタフェの残留には間違いなく必要となります。ポテンシャルが高いのは間違いないので、ぜひ今後強豪チームと対戦する中で自分の実力を十分に発揮し、次のステップアップにつなげてほしいと思います。