様々な場所をバーチャル上で体験できる「Google Earth」のストリートビュー機能。

まるで本当に歩いているかのように好きな地点の路上写真を見ることができるため、普段はなかなか行けない異国の地の街並みを旅行気分で眺めることも可能だ。

そんな機能を使って、実家を見に行ったあるユーザーの投稿が話題となっている。

2021年1月4日、

「コロナでやる事ないからGoogleEarthで実家見に行ったら7年前に死んだ親父が写ってた。その先に人が居たから見に行ったら母ちゃんだった。一服しながら奥さんの帰りを待ってたんだな。無口だけど優しい親父だった。このままこの場所の写真更新しないで欲しいな」

という文章と共に投稿された2枚の画像。

そこには、家の門の前に佇む男性と、日傘をさして歩く女性が写っている。

投稿者が、群馬県の実家周辺をストリートビューで探索した際に発見したこの2人は、投稿者のお父さんと母さん。お父さんは、7年前に亡くなったのだという。


妻を待つお父さん(画像は投稿者がGoogleEarthのストリートビュー機能を撮影したもの、編集部で一部トリミング)


道の先にはお母さんがいる(画像は投稿者がGoogleEarthのストリートビュー機能を撮影したもの、編集部で一部トリミング)

まさか7年前に亡くなったお父さんに、こんなところで再会できるとは......。投稿者はさぞ驚いたことだろう。無口だけど優しかったというお父さんの人柄が、そして仲のいいご夫婦だったのだということが、たった2枚の画像からもひしひしと伝わってくる。

「凄い瞬間の写真だと思いツイートしました」

7日昼現在で67万件を超えるいいねや、多くのコメントが寄せられているこの投稿。

中でも一番多かったのはこの投稿をきっかけにストリートビュー機能を利用して自分の実家や縁ある場所を見てみたというものだ。

「私ももしかしてと実家近くを探してみたら、昨年2月に亡くなった母が、家の前にある公園の植え込みの縁に腰掛けているのを見つけました」
「もしかしたらと思って気になり確認したら、3年前に他界してしまった祖父を見つけれました」
「まさかと思って見て見たら6年くらい前に無くなった犬が写っていました...今でも近くにいてくれてるんじゃないかと思ってしまいますね」

と、たくさんのユーザーから、懐かしい人やペットに再会できたという声が寄せられている。

Jタウンネットは6日、投稿者に投稿に至った経緯を聞いた。

Google Earthを利用して、実家を見たのは今回が初めてだったとのこと。そもそもストリートビュー機能を使うと路上写真を詳細に見ることができると知ったのも最近だそう。

「最初に航空写真で実家を見つけた時に姪の車がありそれを確認してストリートビューで見に行ったらまさかの父親と父親の車が写っていてビックリしました」

と、投稿者。それだけなら懐かしむだけで特に投稿しようとは思わなかったそうだが、道を進んだ先にお母さんがいるのを確認した。

その写真の二人の姿から、投稿者は

「実は父親が亡くなる2年ほど前に姉を病気で亡くしてまして、家庭の事情で姉の子供が同居していました。
写真が撮られた時間はよくわかりませんが、その状況から母親が一番下の子(孫)を近くの幼稚園に送って帰って来てるのを父親が待ってる様子なのかなと思いました。
写真の状況からなので勘違いかもしれませんがそんな気がしました」

と推測したそう。投稿者によれば、別の日ではあるだろうが、お父さんが亡くなったのも「母親が孫を幼稚園に送って帰ってくる間の僅かな時間」だったとのこと。

それを踏まえ、

「写真の状況と照らし合わせ凄い瞬間の写真だと思いツイートしました」

と投稿者はコメントする。

今回のお父さんのオフショットは、一日の中でも僅かな、しかしとても大切で意味のある時間をとらえたものだったようだ。ただGoogle Earth上で再会できたというだけではないところが素敵だ。

投稿者は、今回の投稿の反響について、

「このツイート以前にグーグルアース、ストリートビューで家族を見つけたり見に行ってる方も大勢いると思いますし自分が1番最初な訳もなくたまたまその時の感情でツイートしたたげでここまで拡がっていくとは思いもしませんでした。
むしろ自分のツイートよりそのあとの他の方のツイートを見て自分も感動したりしました。
SNSでの誹謗中傷が騒がれてる時代ですがRTやいいねで繋いでくれてる方々が本当に良い人、素晴らしい人達で感動しました。
人の温かさを本当に感じさせてもらった事に逆に感謝しています」

とコメントしていた。