スペインでは日曜日から、アントニオ・マテウ・ラホス審判員に対して、「無知」とのレッテルは張られるようになった。それは同氏が主審を務め「73分メッシ選手が、1993/94モデルの真新しいニューウェルズ・オールドボーイズのユニフォームを、ゴールを決めた後に脱いだユニフォームから披露し、警告を与えることにしました」と報告をした、オサスナ戦によるものだ。

 ただこの中には少なくとも明確な誤りが1つある。それはムンド・テポルティーボ紙は、メッシが着用していたニューウェルズ・オールドボーイズのユニフォームは、実際にマラドーナ氏が当時に着用していたものだったことを報じた。とりわけ彼がこのクラブで僅か5試合しかプレーしていないことを思えば、より一層その希少価値がわかるというもの。

 どうやってそれを手にしたのか?メッシは本来の持ち主であるコレクター、セルヒオ・フェルナンデス氏と2度に渡る失敗の後に、2018年ロシアワールドカップでようやく手に入れた、まさに念願叶ってのユニフォームだったのだ。それをこの日の試合で、メッシは自ら着用していたことになる。

 さらにもう1つ、メッシとマラドーナ、ニューウェルズ・オールドボーイズとのストーリーがある。マラドーナ氏がはじめて母国復帰を果たしたニューウェルズ・オールドボーイズに出場したその試合、エメレクとの親善試合の場所に、当時6歳だったメッシ少年の姿もそのスタジアムにあった。

 そんな特別なニューウェルズ・オールドボーイズのユニフォームに身を包んだメッシは、そのニューウェルズ・オールドボーイズでのマラドーナ氏が見せた移籍後初得点のシーンと、あまりに酷似したプレーを演じてゴールを決めてみせており、譲ったフェルナンデス氏はそのユニフォームの姿を、数多くのメディアを通じて目にすることになったのである。