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 新型コロナウイルス感染症による解雇や雇い止めとなった労働者(見込みを含む)は、9月24日時点で6万579人に達した(厚労省雇用政策課)。8月末時点の5万人超えからわずか1カ月足らずで1万人以上も職を失った労働者が増えているのだ。さらに、「この数字は都道府県労働局の聞き取りや公共職業安定所に寄せられた相談・報告等を基にしたもので、現実の数字を網羅したものではありません」(雇用政策課)。

日産がシャープよりも「悲惨な末路」をたどりかねない根拠

 つまり実際には現時点で6万人をさらに大きく上回る解雇、雇い止めがあるということだ。規制解除や「Go To キャンペーン」の実施で経済回復を図るものの、コロナによる経済停滞で明るい兆しは見えず、失業者の増加に歯止めがかからない。

 新社会人も受難だ。2020年3月卒業の大学生、高校生で就職内定が取り消された学生は8月末時点で174人、76事業所に上っている(厚労省若年者キャリア支援室)。これはリーマン・ショック後の09年の2143人、11年の東日本大震災後の598人以来の多さなのである。

 内定を取り消した76社のうち企業倒産、経営悪化を理由に挙げた企業が約78%に上る。産業別では宿泊・飲食サービス業、卸売・小売業、製造業、生活関連サービス・娯楽業と続く。内定を取り消された学生のうち89人は就職済みとなったが、入社したものの入社時期の延期、自宅待機となった学生は87事業所で1210人に上った。

 すでに6月から解禁され内定も出始めた21年3月卒業生の採用にもコロナによる影響は出始めている。企業の採用調査や学生の就職活動の調査を行うディスコ(東京都文京区・新留正朗代表)によると、21年3月卒業予定者の採用見込みは、「前年度より『増加』15%に対し、『減少』が27・6%と増え、新型コロナの影響で採用抑制企業が増加」と指摘する。

■最終面接中止で泣き寝入り

 さらにコロナ禍による企業のこんな対応が新たに学生に不安を与えていると言うのが千葉商科大学の常見陽平准教授だ。

「エアライン会社や人材派遣会社の最終面接まで進んでいた学生が『最終面接がなくなった』と言ってきたんです。突然、その企業から『採用活動を取り消した』と告げられるケースが出てきているんです。要するに企業の都合で採用活動を途中で中止したということです。内定取り消しは補償問題が絡んできますが、採用活動の中止では学生は泣き寝入りするほかありません」

 さらにこう言う。

「新卒者の入社延期、自宅待機だけではありません。入社早々そこに籍を置きながら会社が依頼した外部の人材ビジネス会社が探した別会社に配属されたケースもあった」

 売り手市場だった新卒者の就職受難が始まっている。

(ジャーナリスト・木野活明)