山田涼介 どんな姿・場面であっても、その瞳の輝きにいつも惹きつけられる“最高のアイドル”

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歌にダンス、トークとグループのセンターとして人気を牽引


5月9日に27歳の誕生日を迎えたHey!Say!JUMPの山田涼介。ジャニーズJr.時代から人気を集め、アイドル、俳優として活躍している。

1993年生まれの東京都出身、2004年8月にジャニーズ事務所に入所。同期にはA.B.C-Zの橋本良亮、Snow Man深澤辰哉、阿部亮平がいる。2007年にはHey!Say!JUMPが結成され、同年11月にCDデビューを果たした。2010年に堀越高校に進学。同級生には同グループの中島裕翔、知念侑李、俳優の神木隆之介、野村周平、志田未来ら注目の俳優が顔を揃える。

歌にダンス、トークとグループのセンターとして人気を牽引してきた。13年目に突入してもグループが大好きであることが伝わってくる。映画のプロモーションを兼ねて放送された「山田涼介のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)でも、Hey!Say!JUMPのメンバーであることを強調した上で出演した。

コンサート後に体調を気遣うファンによってSNSで展開された「#山田涼介は最高のアイドルだよ」の投稿に、雑誌の連載から応えたファン思いなアイドル。その一方で、お笑い芸人からツッコまれすぎて王道のジャニーズを諦めたというバラエティ力、はたまた、ドラマのようにコミカルな演技、影のある荒々しい役も演じてきた。

小学生からJr.として活動を続け、グループデビュー以降、国内外でのコンサート(最近では演出も手がける)、ドラマ、映画、バラエティ番組と華々しい活躍ぶり。一見すると順風満帆にみえなくもない。

ジャニーズ人生で記憶に残っていることについて聞かれたときに、Jr.時代に故・ジャニー喜多川氏に「君のこと嫌い」と言われたエピソードを挙げた。人づてに話が伝わったことで誤解を招いてしまい、ジャニーさんからしばらく口をきいてもらえない時期があったという。実力で認めてもらうしかないと奮起した山田は、滝沢秀明の舞台でもらった見せ場で全力を出した。

「『ユー、最高だよ。感動した』ってジャニーさんにハグしてもらったときはすごいうれしかった」(「週刊ザ・テレビジョン」2020年1/10・17合併号)。

子どもならばなおさら、諦めて当然な場面だが、負けず嫌いが発動した。下積み時代とはいえ、誰もがマイクを持てるほど甘くはない世界。抜きんでるためにはこれほどの胆力がないとつとまらないのだろう。

アイドルと俳優のバランス


ドラマに加え、近年では映画俳優としても作品に出演している。初主演映画

(2015年)で「第39回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。同会場にいた事務所の先輩、岡田准一(V6)、二宮和也(嵐)が山田の受賞を喜んだ。最優秀賞主演男優賞を受賞した先輩二人と山田の姿、これがいま、俳優として目指し、進んでいる道なのだろうと象徴する場面だった。


2017年公開の映画公開初日舞台挨拶でのこと。共演の西田敏行から、劇中でもキーとなる手紙を通じてこんな言葉をかけられていた。

「山田くんはアイドルである自分と俳優である自分のバランスに悩んだことがあるのではないかと思いました。周りから色眼鏡で見られることもあっただろうし、決して、弱味を他人に見せない人柄の山田くんは、それを自分の中だけで消化することもあったと想像します」。

アイドル、俳優という二つの肩書を持つ山田。心情を慮った手紙に、なんでこんなにわかるのだろうと涙をぬぐう場面もあった。それでも最後はキラキラとした笑顔をみせた。


どんな場面でもマイクを向けられることが多い山田。表舞台に立つときは必ず晴れやかな笑顔をみせてくれる。と同時に並大抵ではない苦労や努力を感じさせないところにプロ魂を感じる。

2020年公開の映画『燃えよ剣』では、事務所の先輩のなかでも“別枠”な存在だという岡田准一と共演した。役作りの一環で、岡田に教わった水抜きという手法で8キロ減量して挑んだこと、その気合の入れよう、演技力については岡田によって明かされた。

山田は、岡田の役作り、殺陣、照明やカメラを考慮した立ち居振る舞いについて、「失礼かもしれないけれど」と前置きした上で“変態のレベル”と表現。かなり刺激を受けたようだ。

そして今年、映画のクランクイン。早くも次作映画への出演と、俳優としてまい進する姿があった。撮影の様子は雑誌「Myojo」の連載「真紅の音 -Think Note-」で明かしていた。連載の最後にこんな一文が添えられていた。

「もはやなんでもいいもん。カッコつけたいとか、必要以上によく見られたいっていう気持がなくなってきた」(「Myojo」/2020年5月号)

髪を短くし、ヘアセットが思うように決まらないこともあるが「なんでもいい」。俳優として実力で勝負しようと集中している、山田の心境の表れではないだろうか。どんな姿、場面であっても、山田の瞳の輝きにはいつも惹きつけられる。
(文/柚月裕実、イラスト/おうか)