春は肌の調子がゆらぎ、さまざまな肌悩みを感じやすい時季。不調を長引かせて深刻な肌トラブルを招かないために、ゆらぎ肌の正しい対処法を知っておきましょう。まずは自分の肌がゆらいでいるかどうか、チェックしてみて。
皮膚科医の慶田朋子先生監修のもと、お届けします。

化粧のりが悪い、いつもの化粧水がピリつく…春の“ゆらぎ肌”をケアしよう



【ゆらぎ肌チェックリスト】

・肌のキメが乱れ、化粧のりがよくない

・肌がカサついているように感じる

・肌の調子が体調に左右される

・いつもの化粧水でもピリピリと刺激を感じる

・ニキビができやすい

・花粉の時季になると目や鼻の周りが赤くなり、かゆみが出る


1つ以上当てはまったら、ゆらぎ肌です!

●バリア機能が低下した春肌は刺激に敏感で不調を招きやすい

「肌がゆらぐのは、肌のいちばん外側で外界と肌内部を隔てる『角層』の、バリア機能が低下するからです」と慶田先生は言います。
「とくに春の肌は、冬の間の乾燥でバリア機能が弱まりがち。花粉などの刺激や生活の変化といったストレスの影響を強く受けて炎症が起きやすい状態です。それが“ゆらぎ肌”につながります」

ゆらぎ肌になると肌内部へ直接刺激が届いてしまい、さらに炎症が悪化して自らうるおう力が落ちるという悪循環に。
「この連鎖を断ち切るには、保湿で肌のバリアをつくることが不可欠。ただし、ゆらいでいるときは刺激を与えないようできるだけシンプルに。うるおいを保ち、バリア機能を整えておけば、ゆらぎにくい肌になりますよ」

●肌のバリア力は、規則正しい生活でつくられます


肌のバリア機能は睡眠時に回復するため、ぐっすり眠れる環境が大切に。
「良質な睡眠には、バランスのいい食事や健康な腸内環境、運動習慣が必要です。また、忙しい日々のストレスが、睡眠の質を下げていることも。スマホの待ち受けを好きな俳優に変えたり、休憩においしいコーヒーを飲んだり…毎日こまめにリフレッシュをしましょう」



【慶田先生の美肌5か条】

1 バランスのいい食事

2 良質な睡眠

3 健康な腸内環境

4 運動習慣

5 ストレスコントロール


続いて、具体的な対策やおすすめアイテムを紹介していきます。

!!改ページ!!

ゆらぎ肌さんが気をつけたい3つのポイント



●ポイント1:スキンケアは、クリームを中心に


とくに刺激に敏感になっているゆらぎ肌には、クリームを中心に使って。いつもの化粧水や美容液でも刺激を感じるときは、バリア機能が弱まり、肌内部に刺激を与えている可能性も。クリームで油膜のバリアをつくりましょう。低刺激のクリームを1つもっておくと安心です。


クリームはたっぷり塗って。中3本の指の腹で、顔の中心から外側へ大きく広げて伸ばし、最後にハンドプレスを。

<おすすめアイテム>


肌代謝を高めて、炎症や湿疹・かゆみを改善。ノンステロイド。
・イハダプリスクリードAAクリームタイプ〈第2類医薬品〉12g ¥1800(資生堂薬品)


肌荒れを防ぎ、肌のバリア機能に関わるセラミドの働きを助ける。
・キュレル潤湿保湿フェイスクリーム〈医薬部外品〉40g ¥2300〈価格は編集部調べ〉(花王)


不純物を除去した高品質の白色ワセリン100%。目元や唇など細部の保湿にも。
・サンホワイトP‐1チューブ品50g ¥1200〈価格は編集部調べ〉(日興リカ)

●ポイント2:ベースメイクはBB・CCクリームでシンプルに


メイクするときは肌の負担を考え、落としやすさを重視すること。BB・CCクリームなら紫外線カットやベースメイクが1つですみ、比較的簡単にオフできるのでおすすめ。ポイントメイクも低刺激なものを選んでシンプルにすることが大切です。

<おすすめアイテム>


敏感肌特有の色ムラを消す薬用化粧下地。
・dプログラム薬用スキンケアベースCCナチュラルベージュSPF20・PA+++〈医薬部外品〉25g ¥2500(資生堂)


紫外線や花粉などに敏感な肌をしっかり防御。
・UVイデアXLプロテクションBB02ナチュラルSPF50+・PA++++30ml ¥3400(ラロッシュポゼ)

●カラーメイクをしたいときは低刺激のラインを使って

低刺激のメイクアップラインは、肌にできるだけ負担の少ない成分を厳選し、優しいつけ心地にこだわるなど敏感肌に配慮されています。肌がゆらいでいる時季のポイントメイクにおすすめです。

<おすすめアイテム>


低刺激にこだわって原料に配慮。ふんわりした感触なのでデリケートな肌にも。
・ノブチークカラーC‐OR ¥1800〈ケース別売り〉(常盤薬品工業)


乾燥した肌にもフィットし、時間がたっても美しい発色に。
・アクセーヌフェイスカラーアイシャドウES01ロゼブラウン ¥3200(アクセーヌ)

●ポイント3:洗顔はできるだけ優しく


ゆらぎ肌の大敵は摩擦と刺激。洗顔料は敏感な肌に優しい使用感のものを選ぶのはもちろん、洗い方も大切です。肌をこすらないことは大前提。しっかり泡だて、泡に汚れを吸着させるように洗い、よくすすぎましょう。

<おすすめアイテム>


抜群のメイク落ちと肌のうるおいを両立。メイクとザラつきもなでるだけでオフ。
・ファンケル マイルドクレンジングオイル 120ml ¥1700(ファンケル)


敏感肌を考えた低刺激処方。うるおいを守りながら優しく洗え、汚れもすっきり。泡で出るポンプ式。
・ドゥーエ洗顔ムース 120ml ¥1800(資生堂)

<イラスト/あきばさやか 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【慶田朋子先生】


日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。銀座ケイスキンクリニック院長。女性の肌悩みに寄り添う治療が人気。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33
』(小学館刊)など