【ファンキー通信】ニホンウナギ、実は海外出身だった!

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 ウナギの蒲焼きははイギリスでもunagiというらしい。「2へぇ」です。こんな小さなウンチクから始まりました今回のファンキー通信、お題は「にほんうなぎの出身地」についてでございます。

 うなぎ本来の姿というのは、黒くて長くてぬめっていて、もうそれだけでもなんだかミステリアスですよね。ニホンウナギの出身地ともなると、もっとミステリアスで、半世紀以上も解明されていなかったのです。しかし、東京大学海洋研究所の塚本勝巳教授らのグループはやってくれました! ついに、ニホンウナギの産卵場所の解明に成功。グッジョブ!

 そこで東京大学海洋研究所にニホンウナギについて聞いてみました。ニホンウナギの出身地はズバリ、どこなんですか?

 「産卵場という意味においては、西マリアナ海山のスルガ海山です。東大の海洋研究所では、1973年から研究が続けられてきました。ウナギの謎は、さかのぼること1930年から研究が続いているのですが、今回の解明結果は、サイエンス界の一つの歴史を作ったといっていいかもしれませんね」(東京大学海洋研究所 青山さん)

 そもそも、なぜニホンウナギの出身地はなかなか解明できなかったんですか?

 「それは、非常に広い太平洋の真ん中の産卵所を特定するということが難しいからです。産卵所はきわめてピンポイントな小さなエリアですから」(同)

 産卵場所を解明するため、孵化して間もないニホンウナギ数百匹を採集。その後、遺伝子解析を行い、ニホンウナギであると確認が取れた。

 でも、ニホンウナギなのにマリアナ諸島沖の海山出身って少しヘンですよね?

 「そうですね。ニホンウナギは、台湾や韓国など日本以外にも広く分布しているんです。ネーミングからするとちょっと違和感があるかもしれませんね(笑)」(同)

 素朴な疑問なのですが、ニホンウナギは食べられるのですか?

 「ええ! 何言ってるんですか。養殖になるウナギも、もともとはすべて天然の稚魚を育てています。ですから、みなさんが食べている『ウナギの蒲焼き』はすべてマリアナ海域出身と言えますよ」(同)

 なるほど。ミステリアスなウナギにもなんだか親近感が沸いてきました。みなさんもこれからウナギの蒲焼を食べる時は「君はマリアナ出身なんだよね、はるばるニホンへようこそ!」としみじみ思いめぐらしながら、じっくり味わってみてはいかがでしょうか? (押木真弓/verb)