「荒らし行為には毅然とした対応」 オンライン「人狼ゲーム」、不正アカウントで大量投稿「全国初の摘発」
オンラインゲームのアプリ上で、不正な方法で複数のアカウントをつくり、チャット機能を使って、大量の投稿をおこなったとして、千葉県の男子高校生が12月11日、偽計業務妨害と私電磁的記録不正作出・同供用罪の疑いで書類送検された。ゲームの運営会社は12月23日、「荒らし行為には毅然とした対応をとっていく」とする声明を発表した。
●不正な方法でアカウントをつくっていた男子高校生はことし4月、さいたま市のゲーム会社が運営するオンラインゲーム「人狼ジャッジメント」のチャット機能で、大量のスタンプを連投するなど、他のプレイヤーを妨害する投稿を数万回繰り返していたという。
さらに、運営会社からアカウントを停止されたあとも、不正な方法でアカウントを複数つくり、その後も、いわゆる「荒らし」投稿をおこなっていたという。
●全国初の適用とみられる荒らし行為を受けて、運営会社は、民事上の措置をとっていた。同社は12月23日、ホームページ上で「利用者により安心して遊んでいただけるよう、今回のような荒らし行為には毅然とした対応をとっていく」としている。複数のアカウントを不正につくる方法を記したブログ主についても、仮処分決定が発令されるなど、特定をすすめているという。
民事上の手続きで、会社側に協力した中島博之弁護士によると、アプリゲームにおいて、不正にアカウントを作成することについて、私電磁的記録不正作出・同供用の罪で摘発されるのは、全国初とみられる。中島弁護士は弁護士ドットコムニュースの取材に次のように話している。
「今までは、ゲームアプリのキャラクターなどのデータを不正に改造し、同データをサーバーに送信する行為が、私電磁的記録不正作出・同供用の罪とされてきました。
しかし、今回は、アカウントが凍結されたにもかかわらず、正規登録のユーザーを装い、虚偽の情報を送信してアカウントを登録しなおすこと自体が、私電磁的記録不正作出・同供用の罪とされました。
今後、不正ユーザーの対策に悩まされるアプリ業界にとって、同行為の抑止につながる画期的な事例となるかもしれません。ユーザーに安心してサービスを利用いただくためにも、不正行為が減少することを祈念しております」