新人が職場に慣れた、と思ったら辞めた・・・なぜ最近の若者は突然辞めるのか?
新人が職場に慣れた、と思ったら辞めた・・・
職場が落ち着きを見せ、オペレーションがうまく回りはじめ店長さんもホッと一息。かと思いきや、今までがむしゃらに仕事を吸収してきた新人たちに余裕が生まれると、回りが見えるようになり、それが不満の芽になることもしばしば。
「すみません、来月いっぱいで辞めようと思います」
「え?マジで言ってる?」
やっと仕事も覚えてきた。これから戦力として楽しみだ。そう思い始めた頃、職場の若者から、突然の離職を切り出される。ただでさえ人手が足りないのに、どうすりゃいいんだ……。
こういう話をよく聞きます。
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最近の若者はコワレモノすぎて、どう扱えばいいのか…
また、大手企業なんかだと、新人研修が終わり、いよいよ現場配属がはじまる季節でもあります。そんな中で、自分の職場に新卒社員が配属されてくることに戦々恐々としている管理職も少なくありません。
パワハラ、メンタルヘルス、ブラック企業、ブラックバイト…。
こういった言葉がニュースを賑わせる昨今、いつ自分が当事者になるかわかりません。そのリスクを回避するためにも、腫れものに触るように若者と相対せざるをえません。まるで宅配便の「コワレモノ」状態です。
戦力として期待していた人材が急にいなくなると、単純に自分の仕事がきつくなってしまいますし、「もしかして自分のせいなのかも」と思うと、心理的な負担にもなるでしょう。若者がなぜ不満をためるのか、どうすればやる気になってくれるのか。そんな心の中が見えずに悶としていては、ストレスがたまる一方です。
オトナはどうせ理解してくれないby若者
そもそも、なぜ最近の若者は突然辞めるのか。
わがままだから?転職し放題だから?我慢がきかないから?
いいえ、そうではありません。
職場のオトナと若者の考え方や価値観が残念なくらいにすれ違っていて、じわじわと「辞めたいメーター」が上昇していくのを止められないからです。オトナ目線では「若者が理解できない」となりますが、若者は「オトナはどうせ理解してくれない」と思っているわけです。
悩めるオトナが日々のストレスから解放されるためには、まずはオトナが、今どきの若者の価値観を理解するしかないのでは…。それこそが、職場における双方をつなぐ架け橋になるのではないか…。
この問題意識から、一冊の書籍を上梓させていただきました。
若者を理解するキーワードは「SNSムラ社会」
生まれた時からネットがあり、物心ついたらケータイ(今はスマホ)に触れてきた最近の若者は、GAFAの申し子と言われます。
GAFAとは、ご存知のようにグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの頭文字を取った呼称です。
彼らは、スマホを持ち歩き 24時間常時接続、フェイスブックで友達とつながり、わからないことがあればすぐにググる。参考資料が必要になれば、アマゾンでポチる。
そんな若者の特徴は、SNSムラ社内の住人であるということ。リアル社会に重きを置く我々オトナとは、住む世界が違っています。これが、残念なすれ違いの正体です。
[文:ツナグ働き方研究所]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
平賀充記(ひらが・あつのり)
ツナグ働き方研究所 所長
1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「FromA_NAVI」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長を歴任。 2014年株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。2019年よりツナググループ・ホールディングス エグゼクティブフェロー就任。著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)、『パート・アルバイトの応募が殺到!神採用メソッド』(かんき出版)、『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)。