左利きだけに影響は大きそうだが…(写真/時事通信フォト)

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 秋場所千秋楽の優勝決定戦には敗れたものの「10勝以上」の条件をクリアし、大関復帰が決まった貴景勝

 だが、再び危機が訪れている。関脇・御嶽海との優勝決定戦で左胸を痛め、一夜明けて検査に行った病院で「6週間の加療が必要」と診断されたのだ。その容態を巡って、様々な情報が飛び交っている。

「本人が多くを語らないので詳細はわからないが、“左大胸筋肉離れ”の診断で、秋巡業はもちろん、11月の九州場所も全休の可能性が高いだろう」(担当記者)

 若手親方のひとりは「このまま引退してしまうのではないか」とまで心配する。

「ケガが上(横綱)を目指すのが難しくなるほど重いものなら、貴景勝の性格からしてさっさと身を引くという決断をしかねない」

 たしかに“左胸のケガ”で思い起こされるのは、今年1月に引退した横綱・稀勢の里(現・荒磯親方)だ。一昨年3月の春場所で横綱昇進場所優勝を果たした際に“左大胸筋断裂”のケガを負い、それ以降、武器である左おっつけが使えなくなって引退に追い込まれた。「貴景勝も左利きで、左のおっつけやいなしが武器。押し相撲一辺倒だから、四つ相撲の稀勢の里より影響は大きいのではないか」(同前)とみられている。

 一方で、貴景勝の後援者は、重傷説を否定する。

「本人は、親しい関係者に“大丈夫だ”と説明していて、深刻な様子はない。豪栄道(大関)や琴奨菊(前頭7)だって大胸筋をケガした後に長く相撲を取っている。追われるようなかたちで協会を去った貴乃花親方の愛弟子だけに、貴景勝には敵も多い。ケガが重いという情報を流す人たちがいるんじゃないか。秋場所だって、場所前には調整遅れなど悲観的な情報ばかり報じられていたのが、ふたを開けたら千秋楽まで優勝争いに絡んでいる。九州場所に出られる可能性だって十分あると思いますよ」

 ただ、誰に対してもガチンコの貴景勝には、対戦相手も容赦なく弱点を攻めてくる。来場所は横綱の白鵬と鶴竜が戻ってくるし、カド番大関の高安、関脇に陥落して2度目の大関復帰が懸かる栃ノ心も必死の土俵になる。難敵揃いなのは間違いなく、九州場所直前まで、貴景勝の容態を巡る情報戦は続きそうだ。

※週刊ポスト2019年10月11日号