スポーツ車の中古は値上がり傾向だが2桁万円で買えるものもある

 スポーツカー受難の時代と言われ続けて早幾年。マツダ・ロードスターやトヨタ86/スバルBRZなど、頑張ればなんとか手が届きそうなスポーツカーも存在はしているものの、15年くらい前のように200万円以下で購入できるものはスイフトスポーツくらい(普通車の場合)。

 そのため、シルビアやRX-7といった往年のスポーツカーは高値安定。程度の良い個体を狙おうと思ったら100万円以下ではなかなか購入できないというのが現状だ。

 しかし、ちょっと視点を変えてみれば100万円以下で狙えるスポーツカーでも実力の高いモデルは存在している。そこで今回はそんな100万円以下で狙えるポテンシャルの高いスポーツカーをご紹介する。

1)トヨタ・セリカ(最終型)

 セリカと言うとWRCのイメージが強いからか、GT-FOURに人気が集まり、GT-FOURがなくなってしまった最終型はノーマークとなりがち。さらにカリフォルニアのデザインスタジオがデザインしたルックスもクセがあるため評価が分かれたモデルであった。

 しかし、ヤマハ発動機が開発し、4A-Gや3S-Gの後継機としてリリースされた190馬力を発生する2ZZ-GE型エンジンを搭載するSS-IIはFFスポーツカーとして高いポテンシャルを秘めている。

 FFながらリヤサスペンションもダブルウイッシュボーン式を採用し、フロントは一部グレードでスーパーストラットサスペンションを採用した。このスーパーストラットサスペンションは、カスタマイズを前提とするユーザーには不評だったが、ノーマル状態で高い旋回性能を持ったものとなっている。

パワーはないが新たな楽しみ方を発見できるモデルも

2)ホンダ・CR-Z

 エコカー=退屈なクルマというイメージを打破すべく、ホンダが生み出したコンパクトスポーツハイブリッドが2010年に登場したCR-Zだった。往年の初代や2代目CR-Xのイメージを投影したスポーティなその走りを期待させるものとなっていた。

 エンジンもインサイトに対して高出力な1.5リッターエンジンにモーターを組み合わせたものを採用していたが、170馬力を発生していたB16A型エンジンを搭載していたEF8型CR-Xに比べればローパワーであり、車両重量もハイブリッドシステムによってかさんでしまった結果、期待はずれという烙印を押されてしまった感がある。

 確かにCR-Xの後ろ姿を追いかけてしまえばそういう評価になるかもしれないが、ハイブリッドシステムを搭載したコンパクトスポーツとして考えれば完成度は決して低いものではなく、絶対的なパワーこそ抜きん出ていないものの、ホンダのFFスポーツらしいハンドリングは評価に十分値するものと言えるだろう。

3)日産スカイラインクーペ(V35型)

 手ごろなスポーツモデルを紹介するときに幾度となく挙げてきたZ33型フェアレディZだが、じつは同様のプラットフォームを使用したV35型スカイラインクーペもオススメしたい車種のひとつである。

 スポーツイメージの強いフェアレディZに対して、スカイラインクーペはややラグジュアリー的な要素も持ち合わせており、モデル途中でエンジンがVQ35HRへと換装されたZに対し、スカイラインクーペはVQ35DEのままモデルライフをまっとうしている。

 とはいえ280馬力を発生するスカイラインクーペも決して動力性能的に劣るわけではなく、2シーターのZに対して4人乗りとなる点もいざという時のアドバンテージになるはずだ。