住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「Blue Ocean」。11月26日(月)の放送には、国立感染症研究所・協力研究員で、獣医師、医学博士でもある中山幹男先生が登場。これからの季節、特に注意が必要なインフルエンザ予防と対策についてうかがいました。


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まずは、インフルエンザの症状についてです。
インフルエンザの特徴は、突然悪寒がし、高熱が出ることです。高熱が出る原因は、インフルエンザに感染すると分泌される「インターフェロン」という物質。インターフェロンが分泌されると、体が脳に向かって熱を出すよう命令し、体が震え出します。インフルエンザウイルスは熱に弱いため、熱を出すことで増殖を抑え、回復に向かうことができるのです。

発熱中は、「とにかく脳を守ること」と強調する中山先生。脳は熱に弱いため、熱が下がるまでは頭、首筋、脇の下などを重点的に冷やし続けることが重要だと言います。

また、体が回復に向かっているかどうかは、足の温度でわかるそうです。インフルエンザに感染している間は足が冷たく、熱が上がりきると足が温かくなってくるのだとか。中山先生いわく、足の温度の変化が「インフルエンザ発症後、山を越えたかどうかの基準になる」とのこと。

しかし、なかには高熱が出ない「隠れインフルエンザ」もあるのだとか。
隠れインフルエンザは、高齢者が発症することが多いそうです。熱もそこまで上がらず、「具合が悪いな」と思い病院に行ってみたところ、インフルエンザと診断されるケースがあるそう。
熱が出ない場合、インフルエンザウイルスはどんどん増殖してしまいます。その結果、重篤な肺炎を引き起こし、最悪の場合死に至ることも。中山先生は、「年間で見たときに、インフルエンザによって亡くなる人数は、交通事故で亡くなる人数よりも多い」と言います。

中山先生は最後に、インフルエンザの効果的な予防法についても教えてくれました。

まず重要なのは手洗いです。ちなみに、インフルエンザウイルスは喉ではなく鼻から入ってくると言い、「うがいは効果がない」と話す中山先生。マスクを着用する場合も「必ず鼻まで覆うことができるものを」と強調します。そして、マスク選びについては「1枚目(一番外側の布)に抗ウイルス剤などがついたものが有効」とのこと。

次に、室内の湿度です。湿度が40%以上あると、空気中のウイルスが死滅すると言います。そのため、加湿器などで湿度を40〜70%にしておくとウイルスの蔓延を防ぐことができるそうです。

また、インフルエンザ予防に有効な飲み物には、紅茶を挙げた中山先生。
中山先生いわく、紅茶は「生きたインフルエンザウイルス100万個すべてを10秒で殺すことができる」そうで、消毒薬なみの高い即効性があるのだとか。その働きをしているのは紅茶に入っている「テアフラビン」という成分。これは、インフルエンザウイルスのスパイク(表面にある突起)をすべて無力化するのだそうです。インフルエンザウイルスは人や動物、ウイルスの新旧にかかわらず、いかなる型でもスパイクを持っているため、紅茶はすべてのインフルエンザに有効な予防策なのだとか。

ただし、インフルエンザウイルスに感染してから紅茶を飲んでも効き目がないので、予防の段階で活用することが重要です。また、「紅茶はミルクティーではなく、ストレートティーもしくはレモンティーで飲んでください」とのこと。

この季節になるとさまざまなところで耳にするため、実は恐ろしい病気であることを忘れがちなインフルエンザ。しっかりと予防、対策をしてこの冬を乗り切りましょう。

<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時 :毎週月〜金曜8:55〜11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/bo/