YOSHIKIの「おかきシーン」に『格付けチェック』放送作家が秘めた思い
YOSHIKI 様
昨年の12月から今年の1月にかけ、年末年始のTV界において「視聴率男」の名を欲しいままにした凄い人がいる。芸人でもなく、俳優でもなく、またアイドルでもない。日本が世界に誇るロックアーティスト、X JAPANのフロントマン、YOSHIKI様である。
『しゃべくり007』（日本テレビ系）では8年ぶりのトークバラエティー出演ということもあってか瞬間最高視聴率21.6％を記録。大晦日の『NHK紅白歌合戦』では、首の調子が悪いと封印していたドラムプレイを披露した瞬間、それまで30％台だった数字が一気に40％超えを果たした。さらには元旦の『芸能人格付けチェック！これぞ真の一流品だ！2018お正月スペシャル』（ABC・テレビ朝日系）もYOSHIKI様祭り！ 連戦連勝中のGACKTの先輩として満を持して登場。平均視聴率19.6％を記録し、番組史上、過去最高を叩き出した。
実は私、毎年この『芸能人格付けチェック』のナレーション原稿を担当している。ナレーターの木村匡也さんが読むツッコミナレーションを書くため、編集されたVTRを日本中の誰よりも早く見ることができる幸せな立場にいるのだが、今年の格付けのYOSHIKI様の一挙手一投足には、まさに目がくぎ付け。アーティストである御本人にはいささか失礼な言い方かもしれないが、バラエティー作家の目線から見て、こんなに面白い「素材」はない。
ネットでも大変話題になったが、ウェイティングルームで他の格付け芸能人の皆さんの結果を待つ間、ず〜〜〜っと食べ続けていたチーズおかき。今、ひたすらおかきを食べる様子だけで20％の視聴率を稼げるのはYOSHIKI様だけである。
私もVTRを初めてチェックした際に大爆笑したのだが、あえてその場面にツッコミナレーションは入れなかった。「刺し身のまま何もつけずに視聴者に召し上がっていただく」のが一番美味しい名場面と判断したからだ。
トーク番組全盛期を経て、芸能人のプライベートがガンガン消費される時代になって久しい。そんな中、まことしやかな都市伝説も含め、全てが「秘密のヴェール」に包まれている稀有（けう）な存在こそがYOSHIKI様。現在、「バラエティーに降りてきてくれている」オーラを画面からこんなに醸し出す、ありがたいタレントが他にいるであろうか。
ひとたびライヴをやればマディソン・スクエア・ガーデンが満杯になる世界的アーティストが、日本のバラエティーではあんなにチャーミングに振る舞う。YOSHIKI様に「あんた、バラエティーでも無敵だよ！」賞を差し上げ、勝手に表彰したい。
賢明なるYOSHIKI様のこと、これからも決して安売りはしないであろう。ミステリアスな部分を残したまま、これからも時折、バラエティーに降りてきていただきたい。お待ちしております。
＜プロフィール＞
鮫肌文殊（さめはだ・もんぢゅ）
放送作家。’65年神戸生まれ。古舘プロジェクト所属。『世界の果てまでイッテQ！』など担当。渋谷オルガンバー「輝け！日本のレコード大将」（毎月第2金曜日）、恵比寿頭バー「歌謡曲主義」（毎月第3火曜日）などでの和モノDJ、関西伝説のカルトパンクバンド・捕虜収容所のボーカリストなど音楽活動も数多い。
＜鮫肌文殊からお知らせ＞
鮫肌文殊率いる伝説のカルトパンクバンド・捕虜収容所が、今が旬のストリートパンク15バンド収録のコンピレーション・アルバムに参加大決定！ 『ヴィレニー・プリズン・パンク・チャートバスターズ』が2月21日（水）、全国有名インディーズ盤取り扱いショップにて発売。凄いメンツなんでチェックよろしく！ さらに！ 2月10日（土）中野ムーンステップにて捕虜収容所、ライヴやります。こっちも見に来てね！
