堀田教授の科学的に元気になる方法「忙しいときこそスローな所作を忘れずに!」
あせっているとき、忙しいときにはついイライラしがち。だけどそんなときこそ意識して”スローな動き”をすることで、思考力が回復し、創造的になるという科学的な実験結果があるんです! たとえば太極拳やヨガなど、スローな運動や文化は世界共通。だまされたと思って一度試してみて!
【今週のエビデンス】
「なめらかな手指の運動をすればスムーズな思考が導かれ創造的になる」
(タフツ大学 マイケル・スレピアンとナリーニ・アンバディーの研究)
ポジ子:え〜、こうしてああして次はどうするんだっけ!?
堀田:落ち着きがないね、ポジ子さん。一体どうしたの?
ポジ子:論文を書くための資料を整理しているんですけど、机のどこに資料を置いたのかわからなくなって……。
堀田:なるほど。だったら、そういうときこそ、スローに動いてみるのはどうだい?
ポジ子:何を悠長なことを!こっちは焦ってるんです!
堀田:やれやれ、これだから慌てている人は厄介なのだよ。タフツ大学のスレピアンとアンバディーの研究では、「なめらかな手指の運動をすればスムーズな思考が導かれ創造的になる」という研究結果が明らかになってるんだ。せわしいときこそ、なめらかに動いたほうがいいんだよ。
ポジ子:へ〜!? そ、そうなんですか?
堀田:実験では、2つのチームにそれぞれ曲線的な線画と、直線的な線画を描いてもらったんだ。するとどちらのチームともに、曲線的な線画を描いた後に聞いた感想のほうが、より創造的で詳細なコメントを残した。つまり、考えが煮詰まったときなどは、なめらかな手足の動きをしたほうが効果的ということがわかったのさ。
ポジ子:確かにゆったりと動く太極拳やヨガなどは健康にいいって聞きますね。
堀田:さらには面白いもので、“動物園でゾウを見ると血圧が下がる”なんてことも言われている。牛なんかもいいね。スロー“モー”なだけに(笑)。
ポジ子:……。可愛いけど、お猿さんを見ていると動きがスピーディーで興奮しそうだし、威風堂々のライオンはカッコいいけど気圧されそう。ゾウのようにゆったりとした動物は癒されますね……って、これって人間にもあてはまりそうですね!?
堀田:だからこそ、ときにはゆったりと動くほうがいいんだ。世界各国にさまざまなスローな運動や文化があると思うけど、ゆったりとしたものを自分に取り入れることが有効的ということは、はるか昔からわれわれ人類が経験則として学んでいたことなのかもしれないね。
ポジ子:現代人は時間や情報に追われせわしなくなりがちですからそれを忘れていたのかも。
堀田:“スローな動きをスローガンに”。深呼吸をひとつするだけで落ち着くくらいなんだから、いかにスローな所作が大切かってことですよ。
ポジ子:……(またオヤジギャグ)。そういえば、4秒かけて鼻から息を吸って7秒間呼吸を止め、8秒かけて口から息を吐くと、気分を落ち着かせる副交感神経が優位になりリラックスしやすくなるって教わったことがあります!
堀田:勉強熱心で素晴らしいッ。なめらかな手指の運動を日常的に取り入れるのなら、女性ならスキンケアの時間や入浴のときなんかに応用できると思うけど、どうかな?
ポジ子:それはナイスアイデア! 仕事で集中力を欠いているなと思ったら、ゆっくりとなめらかな動きでスキンケアをすれば、思考力は回復、美肌力も向上。最高じゃない!
堀田:ふふふふふ! こう見えて、私は意外に女子力が高いのだよ! あとは、ゆっくりとなめらかに空中に8の字を繰り返し描いてみることも簡単な方法だね。
ポジ子:(おもむろに顔のマッサージを始める)
堀田:どうだい? 資料をどこに置いたか思い出した?
ポジ子:はい! この前、間違って捨ててしまったことを思い出しました! でも、お肌は気持ちいいです!
堀田:ポジ子さん、それ完全にアウトッ!
<プロフィール>
堀田秀吾(ほった・しゅうご)◎1968年、熊本県生まれ。明治大学教授、法言語学者。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく多角的な研究を展開。「学び」×「エンタメ」をライフワークとし、法律事務所や芸能事務所の顧問も務めるなど多岐にわたって活躍中。近著に『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)がある。7月29日放送の『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)に堀田先生が登場! なんとハリウッド大物俳優が先生の教えを実践!!