読むだけで下半身が強くなる男性機能の真実「“死ぬまでセックス”は誰でも可能」
「“死ぬまでセックス”は誰でも可能」と、断言する、泌尿器科の名医・永井敦氏。下半身の不調は大病の前兆、週2回の射精で長生きができる、80歳台でもED治療は可能、不倫をしている人は“腹上死”に注意、などなど、読むだけで下半身が強くなるなりそう!男性だけじゃなく、女性も知っておきたい、男性器について聞いてみた。
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今回私が書いた『男性機能の「真実」』(ブックマン社)には、今まであまり語られていなかった真実があります。
それは、男性の“下半身を鍛えれば元気で長生きができる”という真実です。
本書には、男性の性に関する不安を払しょくし、目からうろこの新発見があります。また、おまけとして、巻末に日めくりカレンダーを作ったのですが、これはある日の言葉で、私が考えました。
「女房に頭も亀頭もあがらない」
本当はこれでは困るのですが、世の男性諸氏の悲哀のメッセージを日めくりカレンダーに綴りました。
「あっ危ない、射精は急に止まらない」
「射精一秒、子が一生」
これを読んでいる男性読者のみなさんにも、時に修羅場にもなりかねない、ヒヤリとした瞬間もあったのではないでしょうか。
みなさんは、男性の生殖器や勃起・射精のことをよく知らないまま、そして、いろいろな不安を抱えたまま、性行為を続けているのではないでしょうか。男性の生殖器の解剖、勃起・射精の本当の真実をしっかり学ぶことで、今までの漠然とした男性の下半身問題に関する不安を払しょくできます。
勃起不全=早死
では、なぜ男は勃起をするのでしょうか。
基本的に性的刺激が必要ですが、勃起の瞬間、陰茎の中には一酸化窒素が発生します。これが大変重要です。一酸化窒素が発生できないような状態では勃起しません。
内臓脂肪蓄積・耐糖能異常・高脂血症・高血圧など、生活習慣病状態の男性では一酸化窒素が発生しにくくなります。また陰茎は血管と同じ平滑筋という筋肉のかたまりですが、生活習慣病になるとその筋肉も障害されます。
勃起しない、勃起が弱いということは、血管を含めて身体のどこかに異常があるということ。勃起不全=早死です。つまり健康的な身体を保てば、勃起機能はいつまでも衰えません。
泌尿器科医の私が断言します。健康であるならば、男性は死ぬまで勃起が可能です。
「たかが勃起、されど勃起。勃起不全をあなどるなかれ」です。
ウィリアム・シェークスピアの作品ハムレットの中に「Frailty, thy name is woman」 という有名なセリフがあります。「弱きものよ、汝の名は女なり」と訳されています。
最近このfrailty(フレイルティ)が医学用語として注目されています。海外ではフレイルティですが、日本ではフレイルという用語で使われます。フレイルとは加齢により心身の活力が低下した状態を表します。
加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)が低下することにより、男性はさまざまな不調に見舞われます。加齢男性性腺機能低下(Late Onset Hypogonadism:LOH)症候群といいますが、骨粗しょう症、筋力低下、認知力低下や、内臓脂肪蓄積・耐糖能異常・高脂血症・高血圧による動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中、排尿障害、うつ症状が出現し、男性にとって大変重要な性機能(性欲・勃起・射精)も障害されます。
性機能が障害されれば、パートナーとの性生活もままならなくなります。
奥さんは元気で活発ですが、旦那は家で邪魔者扱いされます。家庭はホームなのにアウェイ状態なのです。
「弱きものよ、汝の名は夫なり」です。
このような事態を解決する一つの方法が男性ホルモン補充療法です。本書で詳しく述べていますが、テストステロン注射や軟膏などで治療をします。テストステロンは男性が健康的に生きていくうえで大変、重要なものなのです。
身近な食材が男性器を救う
普段からテストステロンを増加させる作用のある食べ物を摂ることも大切です。にんじん、山芋、玉ねぎ、にんにくです。地中海料理もテストステロンを増やす作用があるようです。軽いジョギングも良いそうです。
また、酸化ストレスは老化の原因であり、男性の下半身にも重大な影響を及ぼします。そこで抗酸化作用のあるサプリや食べ物を摂ることも大切です。にんじん、かぼちゃ、トマト、ブロッコリー、キャベツ、大豆、にんにく、ショウガ、果物(温州みかん、ブドウ、ブルーベリー、りんご)、唐辛子、わさび、スパイス、エビやカニ、ナッツ類、緑茶、はちみつ、発酵食品などです。
酸化作用の強いファストフードなどを食べ続けることは避けなければなりません。さらに、男性の下半身に良いサプリメントは、亜鉛、コエンザイムQ10、ビタミンB群、ウコン(クルクミン)、レスベラトロールなどが挙げられます。
「接して漏らそう」
勃起も大変重要ですが、射精はそれ以上に重要です。
射精に打ち止めはありません。射精に必要な臓器である前立腺の健康に良いのです。
50歳を過ぎると前立腺肥大症や前立腺がんに罹患する確率が高くなりますが、前立腺の健康を保つことでその危険性を少なくすることができます。
その方法の一つが射精です。
陰茎の刺激で射精が近づくと、前立腺の血流が良くなります。これが前立腺に良いことなのです。しかも、射精の瞬間には前立腺が収縮と弛緩を繰り返します。この前立腺の運動も前立腺の弾力性、いわゆる前立腺の若さを保つために大切なことだったのです。
前立腺肥大症の原因の一つに動脈硬化がありますが、射精をしっかりすることで前立腺の血管の健康を保ち、肥大症の予防につながる可能性があります。前立腺がんの予防についても、射精回数が多いほど前立腺がんの発生が少ないというハーバード大学の発表があります。
つまり射精をたくさんしたほうが男性の健康に良いということが分かりますね。まさに「接して漏らそう」、射精の回数は無制限、死ぬまで射精です。
危険な射精
射精は男性の健康に良いのですが、中には危ない射精があります。風俗での射精は性病の危険性があります。「金払い、ついでに性病デリバリー」です。わざわざお金を払って性病を買うのはバカらしいですよね。
パートナーにうつせば問題になります。やはり射精の相手は信頼のおけるパートナー、結婚している方は愛する奥さんにつきます。これを守れば修羅場を避けることができます。ある意味マスターベーションは、誰も不幸にならない、誰も不幸にしない最も安全な射精術でしょう。
米国の論文で、週に2回以上セックスをする人は、1回以下の人に比べて明らかに心筋梗塞や脳卒中の発生が少なかったという報告があります。つまり勃起と射精を維持できる能力のある男性は、血管が元気だということです。
不倫でペニスを失った人もいる
よく腹上死という言葉を耳にします。セックスの最中に心筋梗塞や脳卒中で亡くなることです。腹上死という言葉から、セックスは危ないと思っている人がいることも事実です。先ほど週に2回以上セックスをしたほうが心筋梗塞や脳卒中を防ぐことができて長生きをすると述べました。
一見、矛盾しているように思えますが、実は腹上死には裏があるのです。
腹上死が多いのは婚外性交。つまり不倫相手とのセックスでは慣れたパートナーと違って、血圧が上がりやすく、普段のセックスではしないようなことをするので心臓に負担がかかり、性交中の死亡率が高くなるというわけです。
婚外性交で腹上死すれば、当人は死んでいるのでいいですが、残された者に修羅場が待っています。例え死ぬことはなくても、バレればやはり修羅場がきます。
相変わらずマスコミでいろいろな不倫がたたかれています。芸能人が仕事を失ったり、議員さんが職を失ったり、不倫はすべてを失う可能性があります。不倫が元でペニスを失った方もいました。やはり、家庭内射精が一番です。奥さんを大切にしましょう。
最後にED治療薬について一言。
勃起不全の方は積極的にED治療薬を試してください。偽物が多いので決してネット購入などはしないでください。堂々と泌尿器科を受診し相談してください。ED治療薬で良い勃起が起きるだけでなく、ED治療薬を飲み続けることによって血管が若返る作用もあることが分かっています。
男性の下半身を健康に保つことこそが、全身の健康すなわちアンチエイジングにつながります。本書を参考に男性の下半身に関する正しい知識を身に付け、超高齢化社会に向かって、健康に生きる下半身術、泌尿器科的アンチエイジングを実践しましょう。
永井敦(ながい・あつし)◎医学博士 昭和57年、岡山大学医学部卒業。同大学付属病院にて医学部助手、医学部・歯学部講師を務めた後、平成18年に川崎医科大学泌尿器科教授に就任。前立腺肥大症をはじめ泌尿器科学を専門とし、できるだけQOLを落とさない最先端のレーザー治療や腹腔鏡下手術などを取り入れた最新治療に取り組む。監修した本に『愛が深まるセックス体位365』(日本語版)など。