神戸国際大附、後藤が殊勲の一打!甲子園での悔しさをぶつける!勝ち越し三塁打の後藤(神戸国際大附)

 1回に尼崎小田が先制し、5回に神戸国際大附が追いつく。6回表、尼崎小田の攻撃が終わった所で、雷鳴によりゲームは1時間8分中断した。

 勝負は再開直後の6回裏。神戸国際大附は二死二塁から2番・後藤 貴大(2年)が右中間を破るタイムリー三塁打。この1点を7回からリリーフした左腕・花村凌(3年)が守り切り、神戸国際大附がベスト8進出を決めた。

 殊勲の一打を放った後藤は選抜1回戦の東海大福岡戦で痛恨のサヨナラ悪送球をした選手で、「終わってから1週間くらい眠れない日々が続いた」と振り返り、打撃面も含めて、甲子園の映像は何度も見返した。その思いをぶつけた一打だった。「ルーティーンを大事にする」と話す後藤。髭は毎週日曜日に剃ると決めているそうだ。兵庫の春の大会の決勝は5月6日(土)。次は優勝を決めて髭を剃るつもりだ。

 一方敗れた尼崎小田。豊田芳和監督が体調不良で、3月から週末と休日に指導している高山栄蔵コーチが監督代行として指揮を執ってきた。普段はバッテリーを担当しているということもあり、攻撃時のサインは福本友貴部長が中心になって出してきた。阪神地区予選から接戦の連続。県大会初戦では滝川第二に2対1で競り勝った。それから1週間。平日は仕事を抱える高山監督代行は選手と会っていなかった。「ミーティングでまずこの1週間のことを聞きますと」と試合前に話していた。

 この日の神戸国際大附戦。1回に1番・坂本直哉主将(3年)の二塁打をきっかけに、先制したところまでは理想通りの展開だった。だが次の1点が取れなかった。「2回のセーフティスクイズ失敗が痛かったです」と振り返った高山監督代行。秋の兵庫王者に後一歩及ばなかった。

 ただ、2年生右腕・井畑翔が大きな成長を見せたのは収穫。他にも2年生がスタメンに4人並ぶ若いメンバー構成で第1シードを獲得した夏へ向けても視界が広がる。夏には復帰予定の豊田監督に「監督が来れなくても俺たち強いんやというのを見せたくて、頑張ります」とメールでメッセージを送ったことを明かした坂本主将。「この春にベスト16を目指そうということで冬やってきて達成できた。次はベスト8、ベスト4、そしてその上を目指したい」と主将は夏を見据える。

(文・写真=松倉 雄太)

注目記事・2017年度 春季高校野球大会特集