佐久長聖(長野)「部員全員の気持ちを1つにして闘う」【後編】

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私が佐久長聖を見て気になったこと

皆さん、こんにちは!

高校野球レポーターの芹 玲那です。『バトルスタディーズ』作者・なきぼくろ先生のPL学園時代の恩師、藤原弘介監督が指揮をとられている佐久長聖高校への特別インタビュー企画。

【前編】では、新チームのエースとなった塩澤 太規選手へ甲子園での経験やエースとしての心構えを伺いました。【後編】も、選手にお話を伺い、佐久長聖高校の強さのワケを探っていきたいと思います!

■強いチームを作るためには?佐久長聖の選手が考える「チームのためにすべきこと」

私が昨年の夏の甲子園で最も印象に残った試合が、開幕戦となった佐久長聖−鳴門の試合でした。1点差となった熱戦も勿論ですが、私が特に気になったのは、元山 飛優前主将を中心に纏まる佐久長聖のチームとしての姿。今回は、“チーム作り”についてを中心にお話を伺っていきます。

今回インタビューさせて頂いたのは、藤原監督が新チームの中心選手として信頼を置く、関颯太選手(外野手/副主将)梅野遼太郎選手(内野手)松尾直樹選手(内野手)桜井貴一選手(内野手/チーム代表)です!

強いチームを作るためには?佐久長聖の選手が考える「チームのためにすべきこと」

佐久長聖の選手たち

芹玲那(以下、芹):よろしくお願いします! 今日は「強い者にはワケがある」とテーマで取材しています。その中でも今回は、“チーム作り”についてのお話を中心に伺っていきたいと思います。まず、皆さんは2年生ということで2回目のオフシーズンを迎えましたが、この冬課題としてチームで取り組んでいることはありますか?

梅野遼太郎選手(以下、梅野):昨年の秋に屈辱的な負け方をしてしまい(県準々決勝で大敗)、自分たちで一からチームを作り直さなおさなきゃいけないという決意で練習しています。甲子園へ出場した昨年のチームより能力が劣るので、個の力よりもチームの力をつけるために、協調性などを大切にして練習に取り組んでいます。

関颯太選手(以下、関):チームとしては梅野と同じです。個人としては、秋季大会前に怪我をしてしまい結果を残せなかったので、夏に向けてしっかり成績を残していきたいです。主軸を打たせて頂いている以上は、チームのために打って、投手を助けるのが自分の役割だと思っています。

芹:佐久長聖は部員が100人も超えて本当に多いですよね。その中で気持ちをひとつにするのは大変だと思いますが、何か意識されていることはありますか?

梅野:色々な県から集まってきているので、言葉の違いもあり、気持ちが揃わない時もありました。でも、秋の敗戦でひとつにまとまって闘っていかないと打てない、勝てないとすごく感じたので、夏に向けて心をひとつにしていかないといけないという気持ちを共有しています。

関:ここ(佐久長聖)にきて甲子園という気持ちを全員が思い出して、それをひとつの輪にしたいと思っています。

松尾直輝選手(以下、松尾):自主練習(朝5:30から)には、2年生みんな参加しています。自分たちで考えて自主的にやるようになりました。どんどん上手くなりたいと思う気持ちがチームに拡がっていると感じます。

芹:塩澤選手が先輩の意識の高さを受け継ぎたいと語ってくれましたが、しっかり2年生に受け継がれていますね!人数が多い中で、コミュニケーションの取り方で意識されていることはありますか?

桜井貴一選手(以下、桜井):チームとして、人間として、まず挨拶を大切にしています。先輩と後輩の挨拶でも、後輩からの一方的な挨拶ではなく、しっかり返すことを意識しています。

甲子園で前チームを越える

芹:春からは新入生が入ってきて、また新しいチームがスタートしますよね。自分たちが引っ張る代となりましたが、どんなチームを作っていきたいですか?

梅野:前チームは3年生中心のチームでした。能力が劣る分、新入生も含めて、全学年一体となって強いチームを作り上げたいです。

関:2,3年生が主体となって、甲子園で前チーム以上の成績を残したいです。

芹:また是非佐久長聖の野球を甲子園で観たいです!練習メニューも厳しく、熾烈なレギュラー争いなど、高校野球では苦しいことも多いかと思いますが、自分を向上させたい、野球を楽しむというモチベーションを保つ秘訣は?

桜井:野球を嫌いになったら技術は上がっていかないと思いますし、野球が好きで佐久長聖に入ったので野球をやり抜きたいと思っています。冬場にバットを振りぬくことで強い打球を飛ばせるようになったりして、それがまた楽しくなってきて、どんどん練習したいなって思います。

松尾:自分の中でもっと上手くなりたいと思う気持ちをしっかり持って、そのためにバットを振ったりしてるので、向上を実感できたことが野球やっててよかったと思いますし、楽しいと感じます。

芹:最後に、今回のテーマについてお伺いします。皆さんが考える“強い者のワケ”とはなんでしょう?

関:自分たちより格下でも格上でも、どんな相手でも全力で闘うチームが強いと思います。

梅野:心の強さだったり、技術、考える力。心技体が全て揃っているチームはやはり強いと思います。

桜井:藤原先生から教えて頂く様に、人間性が大事だと感じます。小さなことに目を配れたり、そういったことも野球に繋がってくると思います。

松尾:継続力です。毎日やると決めたことをしっかりやることが大切だと思います。

芹:皆さん、貴重なお話をありがとうございました!新チームでまた佐久長聖らしい野球を見られるのを楽しみにしています!

――前編・後編にわたって佐久長聖選手インタビューをさせて頂きましたが、選手ひとりひとりがチームの課題、個人の課題としっかり向き合っています。『バトルスタディーズ』でも描かれている“チームのために自分がすべきこと”が実践されていると感じました。春、そして夏の佐久長聖の姿がとても楽しみです!

そして、佐久長聖高校では、DL学園や藤原監督が仰っているグラウンドや用具を大切にすることが各所で感じられ、そこからも球児たちの努力をひしひしと感じました。今後、高校野球レポーターとして、そういった風景写真でも球児たちの頑張りを伝えていけたらと思います。

それでは、またお会いしましょう!佐久長聖高校野球部の皆さん、本当にありがとうございました!