福岡大大濠vs明豊
「今日は彼でずっといくと決めていた。甲子園から帰ってきて、殆ど投げていない。先発完投型で投げ込んで上がっていくタイプ。でももう少し修正していかないといけない。持ち味の真っすぐがシュートしたりスライドしていたので。」
福岡大大濠の八木啓伸監督はエースの三浦 銀二をそう振り返った。三浦 銀二は初回、三者凡退の好スタートを切ると6回を投げ切り奪三振5被安打4でゼロ封。3つの四死球があったが、試合感覚が遠ざかっていた中で、6回表には142キロをマーク。沖縄までの遠征などを考慮すると及第点といえるのではないだろうか。
次いで打線に関しては「甲子園でも凡フライが多かった。今日のような向かい風の中では、外野の頭を越えていくのは考えにくい。ゴロや強い打球で攻めていこうと話した。それが出来たと思います。」と評した打線は初回、二死一・三塁から5番稲本 侑星のセンター前タイムリーで先制。
3回にはエラーと四球の走者を犠打で進めてのち、6番松本舞輝がきっちりと犠牲フライを打ち2点目。さらに斎藤 友哉の二塁打と樺島竜太郎の連続長短打で4対0とリードを広げた。手を緩めることのない福岡大大濠は4回、4番東 怜央に2点タイムリーが生まれると5回には二死一・三塁として三浦 銀二がレフト前へタイムリー。6回にはワイルドピッチと斎藤 友哉のタイムリーでコールドとなる10点目を刻み完勝した。
「慢心、傲りといったものは彼らに無い。もう一度ここへ帰ってくるんだというのが合言葉になっています。」6回で二桁安打、クリーンアップで4安打3打点。攻守に隙の無い野球を見せた福岡大大濠が、九州地区高校野球大会では鹿児島実しか成し得ていない三季連続優勝の快挙までマジック3に迫った。
(文・写真=當山 雅通)
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