ミランは2月28日、公式声明で3月3日に株主総会を開くと発表した。だが、クラブ株式売却取引の完了(クロージング)が実現するかが微妙になっているようだ。イタリア各メディアが報じた。

名門ミランの今後を大きく左右するかもしれない。目前に迫っていた“チャイナミラン”の誕生が消滅する可能性もあるという。昨年夏の合意から延期が繰り返されていた身売りが、またも先送りになるかもしれないというのだ。

ミランのオーナーであるシルヴィオ・ベルルスコーニ氏は昨年夏、中国の投資グループとクラブ売却で合意に達した。当初は年内のクロージングが予定されていたが、中国からの資本移動が容易でないことから、現経営陣が延期を容認。買収のために設立された「Sino-Europe Sports」社が手付金を支払うことで、3月3日までの猶予を与えた。

そして3日まで1週間となり、ベルルスコーニ氏は先日、ミラノ市内でサポーターから慰留された際に「もうすべて決まったことだ」と発言。クロージング完了が迫る中で“白旗”を上げた形となり、“チャイナミラン”の誕生は秒読み段階とみられていた。

ところが、イタリアの各メディアが2月28日に報じたところによると、再びクロージングが実現するかが不透明になっているという。またも資本移動の問題から、3日の取引完了が間に合わない恐れがあるというのだ。

ミランは同日、株主総会を3日に開くことを再度発表。クロージングに向けて準備を進めている。


だが、地元メディアによれば、「Sino-Europe Sports」は再び手付金を支払っての延期を提案しているとのこと。手付金はすでに2億ユーロ(約238億円)が支払われているが、さらに1億ユーロ(約119億円)を支払うというのだ。

ベルルスコーニ氏がこの提案を受け入れるかは不明。各メディアは、資本移動が間に合って予定どおりにクロージングとなる可能性に加え、すでに返金不要の手付金2億ユーロを受け取っているベルルスコーニ氏が、取引を打ち切る可能性もあると報じた。つまり、身売り自体が破談になる可能性があるということだ。

ミランという欧州の名門クラブの“爆買い”は、本当に実現するのだろうか。