衝撃の解任劇から4日。岡崎慎司所属のレスターが27日、クラウディオ・ラニエリ監督を解任してから初の試合に臨んだ。暫定監督の新体制が強豪リヴァプールを下す見事な白星を手にした一方で、本拠地キング・パワー・スタジアムのサポーターは功労者に感謝の意を表している。

2015-16シーズンのプレミアリーグを制し、“奇跡の戴冠”を成し遂げたレスターは、23日にラニエリ解任を発表した。降格危機に瀕していることで偉大な功労者を見切った形となり、多方面から非難の声も寄せられたが、結果的には奏功したのかもしれない。

岡崎を先発起用したレスターは、今季不振だったジェイミー・ヴァーディーの2ゴールや、ダニー・ドリンクウォーターのスーパーゴールで、上位を競うリヴァプールを3-1と下したのだ。

2017年になってからのレスターは、プレミアリーグで1分け5敗と白星がなく、さらにこの6試合で1ゴールも決められていなかった。それが、ラニエリを解任したとたんに、強豪相手に3得点を奪っての勝利だ。レスターはこの白星で15位に浮上した。降格圏とはまだ勝ち点2差だが、安どのため息をついた関係者やサポーターは少なくないはずだ。

一方で、ファンはラニエリ監督への感謝も忘れていなかった。試合前からラニエリのお面をつけたサポーターの姿が見られ、スタンドにはイタリア語で「ありがとう、クラウディオ」の横断幕。少年が掲げたプラカードには、「夢をかなえてくれてありがとう」と書かれていた。








極めつけは、勝利が近づいてきた終盤の光景だ。スタジアムの観客たちは携帯電話のライトを使い、ラニエリ監督に美しい光のオマージュ。さらに同監督の名前を歌い、王者ながら志半ばにクラブを去ることになった前任者に敬意を表した。




とはいえ、ラニエリはすでにいない。クレイグ・シェイクスピア暫定監督がこのままチームを率いるのか、新指揮官を招くのか、今後の対応も注目されるレスターは、3月4日の次節で残留を争う直接のライバルであるハル・シティと対戦する。