武田玲奈、19歳。「大好きな人にもらった自信が、内気な私を変えてくれた」
木漏れ日の下で、天使に出会った――。と、本人に伝えたら、きっと恥ずかしそうに笑うだろうが、白いニットに包まれた彼女を見て本当にそう思ったのだ。モデルとして活動をスタートさせた武田玲奈は、“史上最大級の逸材”として青年誌グラビアに登場し話題を呼んだが、映画『暗殺教室』で芝居に初挑戦して以来、女優としても着実にステップアップしている。ドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)に出演中の武田と、本日は代々木公園へ。天使のようなピュアな微笑みから、目が離せない。
撮影/アライテツヤ 取材・文/江尻亜由子
衣装協力/MICOAMERI
――まずは、デビュー前のお話から伺っていきたいと思いますが、小さい頃は、どんな子どもでしたか?
おとなしかったですね。人見知りで、仲良くなった子としかしゃべらない、みたいな子でした。目立つことはあんまり好きじゃなかったです。
――ご近所でも評判の美少女として目立っていたのでは。
いえ、全然そんなことはなかったです。特別すごいモテたこともなくて。地元の福島にいた頃は、男の子もあんまり話しかけてこない感じだったんですよ。
――ホントに!? 「ぶっちゃけ、モテてましたよね」ってことを伺いたいと思ってたんですが(笑)、近寄りがたい感じだったのかもしれませんね。
いやぁ、全然モテなかったですね。話しかけづらいオーラを出していたのかなぁ…? わかんないんですけど…。
――クラスの中ではどんなポジションでした?
目立つ子と同じグループにはいるけど、その中でおとなしくしてる感じでしたね。
――モデルになりたいと思い始めたのは、いつごろからですか?
小6くらいからファッション誌は読んでて、オシャレやメイクにずっと興味はありました。モデルさんってスゴいなーって、ちょっとずつ憧れていって。
――マネしてお洋服を買いに行ったり?
してました。おばあちゃんちに行くついでに、東京でお買いもの、みたいな。中学のときは、友だちと渋谷や原宿にも行ってましたね。109でお買いものして。
――2013年、16歳のときに「第2のくみっきー! 発掘オーディション」でグランプリを受賞オーディションでグランプリを受賞され、芸能界に入られたわけですが、オーディションを受けたキッカケは?
中学校の頃からずっと『Popteen』を読んでて、くみっきーさんにすごく憧れていたんです。オーディションを知って、「第2のくみっきーさんになりたい!」と自分で応募しました。
――「くみっきーさんに会いたいから」ではなく、「第2のくみっきーさんになりたい」という意思を持って受けたんですね。
はい。もちろん、会いたいっていうのもありましたけど(笑)。親にもオーディションを受けたいと言ったら反対されず、「いいよ」って言ってもらえたので。
――オーディションは、どんな内容だったんでしょう。
まず、写真審査があって。二次か三次が事務所の人と面談。最終審査はイベントでランウェイを歩いてグランプリを発表でした。写真自体、撮られ慣れてないし、人前で話すのも慣れないし。何が何だかよくわからない…って感じで本当に緊張しました。
――グランプリを受賞したときの気持ちは…
「まさか!」でしたね。かわいい子も多かったですし、「自分がこんなところにいて大丈夫かな」って全然自信がなかったので。
――しかも憧れのくみっきーさんが、武田さんを選んでくれたという。
うれしかったですねぇ…(しみじみ)。受賞したときは、感極まって泣いちゃって。そしたらくみっきーさんが「おめでとう」って頭をなでてくれたんです。「あぁ、やさしい〜!」って、すごくうれしかった(笑)。
――目立ちたくないタイプだった幼少期から、自ら応募しよう、というところまでいったのは、途中で何か変化があったんですか?
くみっきーさんの他に、椎名ひかりちゃんも大好きなんですけど、ひかりちゃんのイベントに行ったときに、「モデルやってみなよ」って言ってもらったことがあったんです。私がかわいいと思ってる、大好きな人にそう言ってもらえたことが自信になったんですよね。
――そもそも、東京に遊びに来てるときにスカウトされたりはしなかったんですか?
声はかけていただいたんですけど、名刺をもらっても「なにこれ?」みたいな(笑)。よくわからないから、自分から連絡はしなかったです。
――周りのお友達に、オーディションを受けるという話はしていたんですか?
あ、全然してなかったですね。別に隠していたわけじゃないんですけど。モデルになりたいっていう話も全然してなかったし。受賞した後も、仲がいい子に言ったくらい。
――周りのみんなは驚きますよね、きっと。
そうですね、ビックリしたと思います(笑)。
――「武田玲奈ってどの子〜?」みたいな感じで、別のクラスから見に来られたりとかしませんでした?
廊下とかですれ違ったときに「あの子?」って言われることはあったかな。でもイヤなことをされたりとかは全然なかったですよ。「あ、みんな『Popteen』を見てくれてるんだな」って素直にうれしく思いました。
――そして2015年3月、映画『暗殺教室』で女優としてデビュー。もともとお芝居にも興味があったんですか?
いえ、モデルになりたくてオーディションを受けたので、女優さんってどういうお仕事なのかも、全然わからなかったです。事務所から「オーディションがあるから受けてみよう」って勧められて初めて受けに行きました。
――事務所に入ってからは、初めてのオーディションだったんですね。
はい。それまではモデルの活動だけで、私が『暗殺教室』の原作の漫画が大好きなのを知って勧めてくれました。「実写化するんだ!? それに出られたらすごくうれしいな」と思って、オーディションに行ったんです。
――どんなオーディションだったんですか?
審査員の方々の前で台本を読んだんですけど、台本を読むこと自体初めてだったから、すごく緊張しました。私がやったことがいいのかダメなのか、何がなんだか本当にわからなくて……正直、あんまり覚えてないんです(笑)。でも、役をもらえるって決まったときは、すっごくうれしかったです。
――実際に映画の撮影現場に行ってみて、どうでした?
いやぁ、やっぱり雑誌の撮影とは全然違うなと。カメラとかスタッフさんの雰囲気が違うし、照明とか大きい機械がいっぱいあるし。俳優さんのお芝居を間近で見ることができて、いい経験になりました。
――共演者のお芝居で、いちばん印象に残っているのは?
えー……誰だろう。菅田(将暉)さんは、スゴいなと思いました。うまく言えないんですけど、菅田さんの雰囲気は独特で。他にもモデルのお仕事では会わないような方がたくさんいらしたので、演技のお仕事をもっとやってみたいなって思いました。
――現場で厳しく指導されて落ち込んだりとかはなかったですか?
全然! 監督さんもやさしかったですし、生徒役の子たちはみんな年も近かったので、一緒にいるうちに仲良くなって、いろいろ支えてもらいました。
――その役作りのために髪をショートにされて、今ではすっかりショートカットのイメージが定着してますよね。
ずっと長かったので、最初はどうだろう?似合うのかな?と思ってたんですけど。実際に切ってみたら好評だったので、「あ、いいんだな」って(笑)。この後どうするかは迷い中なんですけど、しばらくロングにはしないかな。伸ばすとしても、ボブくらい。
――モデルとお芝居では求められることが全然違うと思うんですけど、両方に挑戦したことで気付いたことってあります?
それぞれ両方に楽しさ、難しさがありますけど……でも、お芝居を雑誌の撮影で活かすことはできるなって思いました。グラビアではストーリー性のある撮影をすることがあって、そういうときにはお芝居の経験を活かせるなって。
撮影/アライテツヤ 取材・文/江尻亜由子
衣装協力/MICOAMERI
人見知りで目立つことが苦手…内気な少女時代。
――まずは、デビュー前のお話から伺っていきたいと思いますが、小さい頃は、どんな子どもでしたか?
おとなしかったですね。人見知りで、仲良くなった子としかしゃべらない、みたいな子でした。目立つことはあんまり好きじゃなかったです。
――ご近所でも評判の美少女として目立っていたのでは。
いえ、全然そんなことはなかったです。特別すごいモテたこともなくて。地元の福島にいた頃は、男の子もあんまり話しかけてこない感じだったんですよ。
――ホントに!? 「ぶっちゃけ、モテてましたよね」ってことを伺いたいと思ってたんですが(笑)、近寄りがたい感じだったのかもしれませんね。
いやぁ、全然モテなかったですね。話しかけづらいオーラを出していたのかなぁ…? わかんないんですけど…。
――クラスの中ではどんなポジションでした?
目立つ子と同じグループにはいるけど、その中でおとなしくしてる感じでしたね。
――モデルになりたいと思い始めたのは、いつごろからですか?
小6くらいからファッション誌は読んでて、オシャレやメイクにずっと興味はありました。モデルさんってスゴいなーって、ちょっとずつ憧れていって。
――マネしてお洋服を買いに行ったり?
してました。おばあちゃんちに行くついでに、東京でお買いもの、みたいな。中学のときは、友だちと渋谷や原宿にも行ってましたね。109でお買いものして。
「第2のくみっきーになりたい!」夢を叶えた瞬間。
――2013年、16歳のときに「第2のくみっきー! 発掘オーディション」でグランプリを受賞オーディションでグランプリを受賞され、芸能界に入られたわけですが、オーディションを受けたキッカケは?
中学校の頃からずっと『Popteen』を読んでて、くみっきーさんにすごく憧れていたんです。オーディションを知って、「第2のくみっきーさんになりたい!」と自分で応募しました。
――「くみっきーさんに会いたいから」ではなく、「第2のくみっきーさんになりたい」という意思を持って受けたんですね。
はい。もちろん、会いたいっていうのもありましたけど(笑)。親にもオーディションを受けたいと言ったら反対されず、「いいよ」って言ってもらえたので。
――オーディションは、どんな内容だったんでしょう。
まず、写真審査があって。二次か三次が事務所の人と面談。最終審査はイベントでランウェイを歩いてグランプリを発表でした。写真自体、撮られ慣れてないし、人前で話すのも慣れないし。何が何だかよくわからない…って感じで本当に緊張しました。
――グランプリを受賞したときの気持ちは…
「まさか!」でしたね。かわいい子も多かったですし、「自分がこんなところにいて大丈夫かな」って全然自信がなかったので。
――しかも憧れのくみっきーさんが、武田さんを選んでくれたという。
うれしかったですねぇ…(しみじみ)。受賞したときは、感極まって泣いちゃって。そしたらくみっきーさんが「おめでとう」って頭をなでてくれたんです。「あぁ、やさしい〜!」って、すごくうれしかった(笑)。
――目立ちたくないタイプだった幼少期から、自ら応募しよう、というところまでいったのは、途中で何か変化があったんですか?
くみっきーさんの他に、椎名ひかりちゃんも大好きなんですけど、ひかりちゃんのイベントに行ったときに、「モデルやってみなよ」って言ってもらったことがあったんです。私がかわいいと思ってる、大好きな人にそう言ってもらえたことが自信になったんですよね。
――そもそも、東京に遊びに来てるときにスカウトされたりはしなかったんですか?
声はかけていただいたんですけど、名刺をもらっても「なにこれ?」みたいな(笑)。よくわからないから、自分から連絡はしなかったです。
――周りのお友達に、オーディションを受けるという話はしていたんですか?
あ、全然してなかったですね。別に隠していたわけじゃないんですけど。モデルになりたいっていう話も全然してなかったし。受賞した後も、仲がいい子に言ったくらい。
――周りのみんなは驚きますよね、きっと。
そうですね、ビックリしたと思います(笑)。
――「武田玲奈ってどの子〜?」みたいな感じで、別のクラスから見に来られたりとかしませんでした?
廊下とかですれ違ったときに「あの子?」って言われることはあったかな。でもイヤなことをされたりとかは全然なかったですよ。「あ、みんな『Popteen』を見てくれてるんだな」って素直にうれしく思いました。
モデルと女優。両方に挑戦して気づいたこと。
――そして2015年3月、映画『暗殺教室』で女優としてデビュー。もともとお芝居にも興味があったんですか?
いえ、モデルになりたくてオーディションを受けたので、女優さんってどういうお仕事なのかも、全然わからなかったです。事務所から「オーディションがあるから受けてみよう」って勧められて初めて受けに行きました。
――事務所に入ってからは、初めてのオーディションだったんですね。
はい。それまではモデルの活動だけで、私が『暗殺教室』の原作の漫画が大好きなのを知って勧めてくれました。「実写化するんだ!? それに出られたらすごくうれしいな」と思って、オーディションに行ったんです。
――どんなオーディションだったんですか?
審査員の方々の前で台本を読んだんですけど、台本を読むこと自体初めてだったから、すごく緊張しました。私がやったことがいいのかダメなのか、何がなんだか本当にわからなくて……正直、あんまり覚えてないんです(笑)。でも、役をもらえるって決まったときは、すっごくうれしかったです。
――実際に映画の撮影現場に行ってみて、どうでした?
いやぁ、やっぱり雑誌の撮影とは全然違うなと。カメラとかスタッフさんの雰囲気が違うし、照明とか大きい機械がいっぱいあるし。俳優さんのお芝居を間近で見ることができて、いい経験になりました。
――共演者のお芝居で、いちばん印象に残っているのは?
えー……誰だろう。菅田(将暉)さんは、スゴいなと思いました。うまく言えないんですけど、菅田さんの雰囲気は独特で。他にもモデルのお仕事では会わないような方がたくさんいらしたので、演技のお仕事をもっとやってみたいなって思いました。
――現場で厳しく指導されて落ち込んだりとかはなかったですか?
全然! 監督さんもやさしかったですし、生徒役の子たちはみんな年も近かったので、一緒にいるうちに仲良くなって、いろいろ支えてもらいました。
――その役作りのために髪をショートにされて、今ではすっかりショートカットのイメージが定着してますよね。
ずっと長かったので、最初はどうだろう?似合うのかな?と思ってたんですけど。実際に切ってみたら好評だったので、「あ、いいんだな」って(笑)。この後どうするかは迷い中なんですけど、しばらくロングにはしないかな。伸ばすとしても、ボブくらい。
――モデルとお芝居では求められることが全然違うと思うんですけど、両方に挑戦したことで気付いたことってあります?
それぞれ両方に楽しさ、難しさがありますけど……でも、お芝居を雑誌の撮影で活かすことはできるなって思いました。グラビアではストーリー性のある撮影をすることがあって、そういうときにはお芝居の経験を活かせるなって。