北海道・小樽市。

かつては「北のウォール街」として、運河の街として、そして寿司の街として、さらにウイスキーファンには余市観光の拠点として、多くの観光客が訪れる一大観光都市。

この町には、今も昔も小樽の人に愛されている、かつての小樽の繁栄の歴史を感じさせてくれる絶品のスイーツがある。

それが今回ご紹介するアイスクリームパーラー「美園(みその)」のアイスクリームだ。

・創業1919年のアイスクリームパーラー、それが「美園(みその)」
こちらのお店、なんと創業は1919年(大正8年)。

1919年と言えばヴェルサイユで幕を閉じた第一次世界大戦。

戦地であるヨーロッパは戦争によって荒れ果てて、変わりに戦地へと物資を輸出を行っていた国々は空前の好景気に湧くという皮肉な二極化を産み出していた。

日本もその恩恵にあずかり、大正バブルという時代が到来していた。

日本の商品に需要が高まり、一時的にではあったが、日本がアジア・アフリカの輸出市場を独占したことで特に鉱山、造船、商事の3業種は当時の花形とまで呼ばれ、成金が続出した時代であった。

そんな時代の流れに当時札幌よりも栄えていた小樽も絶頂期を迎えており、小樽の街は多くの商人で賑わっていた。

そんな時代に生まれたのが、アイスクリームパーラー「美園(みその)」なのだ。


・当時と変わらぬ製法で作られるアイスクリーム
こちらのお店のアイスクリーム、当時と変わらぬ製法で作られている。

日本で最も美しい村の1つである赤井川村の牛乳と鶏卵、そして北海道の銘木アカシアの蜂蜜のみを使ったアイスクリームは、当時の人々を驚かせていたに違いない。

まだ当時は横浜や東京の一部の高級レストランでしか味わえなかったアイスクリームが、遠くはなれた小樽の地で作られていたという事実を見ても、小樽がいかに繁栄を極めていたか、というのが想像に難しくない。


・味わい深いアイスクリーム
今も昔も変わらないアイスクリームは、どこか懐かしい、ほっとするような味わい。

シャーベットのような舌触りと、体温でさっと溶けていくアイスクリーム。

後味はさっぱりとしていながらも、美味しい牛乳と蜂蜜のコクを感じる事ができる。

大正時代から小樽の人々や小樽を訪れた人々を楽しませてきた味わいがここにはあるのだ。

もし小樽を訪れる事があるのであれば、少し観光ルートから外れるかもしれないが、大正時代の歴史の味を味わってみてはいかがだろうか?

きっとそこには、当時から人々に愛されてきた、歴史を感じる味わいがあるに違いない。

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お店 アイスクリームパーラー美園(みその)
住所 北海道小樽市稲穂2-12-15
営業時間 10:30〜20:30
定休日 火曜日
公式HP http://www.misono-ice.com/