AFX通信によると、スイスの製薬大手ロシュ・ホールディングは、同社が製造する抗インフルエンザ・ウイルス剤「タミフル」の需要が急増しているため、新規顧客への供給が最長で2年待ちになることを明らかにした。タミフルは、感染初期段階で投与することでH5N1ウイルスの増殖を抑えることができる、鳥インフルエンザに有効とされる現時点では唯一のインフルエンザ治療薬。

  鳥インフルエンザについては、ヒト間感染による大流行が起こった場合、全世界で少なくとも2800万人以上が感染、700万人以上が死亡するとの予想をWHO(世界保健機関)が発表しており、これが需要増につながった。ロシュによると、世界25カ国から発注や打診を受けているという。同社は旺盛な北米需要を満たすため、今年後半に、北米で生産工場を新設する予定としている。 【了】