南イタリアのプッリャ州の町、アルベロベッロ。

地図でイタリアを見ると靴のような形状をしていますが、アルベロベッロは靴の「かかと」部分にあたる位置にあります。

とんがり屋根に白い壁の建物、まるで絵本の世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥ってしまう、そのメルヘンすぎる町並みの風景を始めてみた人は、さぞ驚くことでしょう。

シチリア島やカプリ島、アマルフィ海岸のようなリゾート地が多くある中、このような穏やかな町も存在するのです。

ここは紛れもなく同じ南イタリアです。

小さな町ですので、半日もあれば十分観光することができます。

この円錐形のとんがり屋根は「トゥルッリ」と呼ばれていて、中世の時期に建てられた伝統的な建築物は、1996年ユネスコの世界遺産に登録されました。

17世紀にこの地方を治めていた領主が、ナポリ王に支払う住居税を何とか減らそうと、崩せば簡単に解体できる住居以外を作ることを禁じたのがトゥルッリの始まり。

石灰で描かれているマークは、宗教的、神話的なシンボルとして表現されていて、それぞれ様々な意味がこめられていると言われています。

アルベロベッロは、アイア・ピッコラ地区とモンティ地区の2つの地区があり、モンティ地区は、多くのお土産やさんが連なり、観光客で賑わっています。

ゆるやかなモンティ地区の坂の途中に、日本人が経営しているお土産屋さん「陽子の店」があります。

アルベロベッロでは有名なお店で、店主陽子さんは、数十年前にアルベロベッロに観光に訪問した際、今のご主人に見初められてご結婚されたのだそうです。

お土産を購入出来るだけでなく、トゥルッリの建物内を十分に見学させていただけます。

日本に絵葉書を送るための切手をここで購入することもできますので、オススメのお土産屋さんです。

陽子の店では、展望台にもなっている2階にある屋上を自由に見学させてくれます。

屋上からの眺めはモンティ地区が一望でき、アルベロベッロを象徴する絶景そのもの。

アルベロベッロに行った際はぜひ陽子の店に立ち寄ってみてください。

坂道を登っていったところにあるサンタントニオ教会。アルベロベッロ唯一のトゥルッリでできたプーリア・ロマネスク様式の教会は、1926年に建てられた歴史が浅い教会です。

こじんまりとした協会ですが、天井が高く、内部は外観と同じくシンプルな壁の造りでできています。

サンタントニオ教会の内部にある祭壇画は、キリストを中心に周囲に聖人が並んでいます。

右下に描かれているアラブ風の衣装を着た2人の聖人は、双子の聖人、聖コズマと聖ダミアーノです。

サンタントニオ教会は入場無料ですので、ぜひトゥルッリ屋根で出来た教会を見学してみてください。

住居やお土産屋さん以外に、トゥルッリのホテルがありますので、機会があれば宿泊するのもいいでしょう。

アルベロベッロの住人になった気分を体験できるかもしれません。

南イタリアの観光をお考えになっている方は、ぜひこの世界遺産の街アルベロベッロをコースに入れてみてはいかがでしょうか。

ベストシーズンは春先から初夏、秋も気候が良く心地よい観光ができることでしょう。

地元の人たちに会った時は、「ボンジョルノ!」と挨拶すれば優しい笑顔を向けてくれるはずです。

また違った南イタリアの雰囲気を満喫できること間違いないですよ。

Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア