シチリアを1つの記事で語りつくすことは出来ない。

イタリア南西に位置する地中海最大の島シチリア島は、人口約500万人を抱え、390の自治体に分かれ、面積は2万平方キロメートルで、車で本島を周遊しようとしても10日で足りないくらいなのだ。

つまり、思っているよりもとても大きい。

しかしながら、シチリアの性格豊かな各都市が個別で語られることは少なく、「シチリア」という大見出しで語られることの方が多い。

そのため、今回はシチリアがどうして1記事で語りつくすことが出来ないのか、その理由を3つ述べたい。

理由1. 約105島もの個性的な島々で構成されているから

一般的に「シチリア」と呼ばれるとき、意味されているのはシチリア本島のこと。

しかし実際には多くの小さな島々が本島の周囲に浮かんでいて、全て合わせると約105と言われている。

例えば火山島のストロンボリ島は小説や映画の題材にもなった場所として世界的にも愛されている。

また、『山猫』で有名な世界的な文豪ランペドゥーザの出身地でもあるイタリア最南端のランペドゥーザ島では、イワシやアンチョビ漁猟が盛んで、希少なウミガメやクジラが残るイタリア最後の地でもある。

近年、ランペドゥーザ島の透明度の非常に高い海で撮影された、まるで船が海の上に浮かんでいるような写真は、多くの旅行者から注目を浴びている。

シチリア本島だけでなく、見所が満載の島々も含めると、ひとくくりに「シチリア」といってもたくさんの顔を持っている事が分かって頂けるのではないだろうか。

理由2.シチリア本島にも個性的な都市がたくさんあるから

シチリアは、その小さな島々だけでなく、シチリア本島の各都市にも非常に魅力豊かな場所。

シチリア州の州都パレルモは、北欧、ギリシャ、アフリカの様々な文化が入り交じる国際色豊かな古都であり、シチリア経済と産業の中心となっている。

また、世界で最も活動的な火山のひとつとみなされるエトナ火山は、カターニアの街から望む事ができる。

古代ギリシャ時代の文献でも多数の言及が見られるシラクーザは、街全体で貴重な遺産が見られ、自然哲学者のアルキメデスの出身地でもある、と聞けば旅の目的地から外すことは難しいかもしれない。

さらにはシチリア本島の西端に位置するマルサラという港町で作られるマルサラワインは味わっておきたい逸品だ。

他にもメッシーナ、アグリジェント、チェファル、などなど、たくさんの都市があり、しかもそれぞれの都市がそれぞれの魅力を持っている。

理由3. シチリアは食を愛しているから

シチリアは豊かな自然に囲まれている場所であるため、グルメな旅行者にも魅力的な場所だ。

例えば、日本でも人気のグラニテは、ここシチリア発祥の氷菓。

平均気温30度のシチリアのきびしい夏の暑さには欠かせないお菓子だ。

また、いわゆるライスコロッケのようにご飯とひき肉を衣に包んで揚げたアランチーニや、ナスのソースのパスタアッラノルマ、クスクスなどはシチリア旅行で是非味わっておきたいほどの味わいで、どれもオリーブオイルをふんだんに使用しているのが特徴だ。

様々な魅力につつまれた「シチリア」。

もし可能であるならば魅力的なこの場所を何度も訪れて、本島のシチリアの奥深さを味わってみてはいかがだろうか。

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