東京、銀座。

ファッショナブルなブティックやデパートそして高級クラブやバーがひしめくこの町に、今でこそ誰もが知るメニューであるカツカレーを生み出した洋食の名店がある事をご存知でしょうか?

それが今回ご紹介するお店「銀座スイス」です。

・脈々と受け継がれる洋食の系譜
こちらのお店の洋食の歴史は、日本の西洋料理の礎を創ったと言われる麹町の「宝亭」で、「天皇の料理番」として著名な秋山徳蔵さんとともに腕を振るった、岡田進之助さんからスタートします。

当時、歴代首相の東條英機から吉田茂まで料理を提供するほどの有名シェフであった岡田進之助さん。

その岡田進之助さんのご子息、岡田義人さんが創業したお店こそ、「銀座スイス」なのです。


・カツカレーの元祖、千葉さんのカツカレー
「千葉さん」とは、川上哲治、青田昇らとともに巨人の第1期黄金時代を築きあげ、戦前・戦後を通して活躍した、巨人の名選手・千葉茂さんのこと。

当時、こちらのお店を愛してやまない千葉茂さんが偶然カレーにカツレツを乗せてほしいという要望をオーダー。

そのオーダーを受けて、メニューに存在しなかった料理を作ったことから、「カツカレー」が誕生したそうです。

当時の巨人の人気選手の1人であった千葉茂さんがおいしそうに食べる姿と、見た目のボリュームから、あっと言う間に全国的にカツカレーの名前が広がっていったそうです。

・発祥のお店のカツカレーを味わう
こちらのカレールーはミンチ肉を使っているため、見た目にはキーマカレーのようなカレーとなっています。

たくさんの野菜とスパイスを使ったカレールーは複雑な甘みと香ばしさをたっぷりと感じる味わい。

そこにラードでしっかりと揚げた、できたての香ばしいトンカツが加わります。

さくっとした歯触りとコクと香り豊かなトンカツ、そしてそこにこのお店オリジナルのカレールーが加わることによって、素晴らしい味わいを感じる事ができます。


70年近く前、当時の花形スター選手の愛した味わいは大切に守られ、現在の私たちも気軽に味わう事ができます。

現代の私たちは、そんな時間を経て大切にされてきた元祖カツカレーの味わいをどんな風に感じるのでしょうか?

「銀座スイス」ではこれまでの日本が歩んできた様々な「時代」を感じる事ができる、そんな洋食に出会えるはずです。

この場所でしか出会う事のできない味、是非試してみてはいかがでしょうか。

まるで味のタイムマシンに乗ってしまったような、このお店ではそんな時間を旅行する感覚を感じられるに違いありません。

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お店 銀座スイス
住所 東京都中央区銀座3-5-16
営業時間 11:00〜20:00
定休日 火曜日
お店のHP http://ginza-swiss.com/