東南アジアの内陸国ラオス。

手つかずの自然が残り、素朴な人々が暮らすこの国には各国の旅行者が注目する世界遺産の街があります。

それが古都ルアンパバーン。

ルアンパバーンは、カーン川とメコン川の合流地点に位置する緑豊かな街で、1353年から1975年まで栄えたランサン王国の王都でした。

東西約2km、南北約1kmの範囲に約80もの歴史ある寺院が点在し、街全体が世界遺産に登録されています。

数々の仏教寺院やオレンジの袈裟を身にまとった修行僧といった東南アジアらしい風景と、フランス植民地時代のコロニアル建築とが融合した不思議な異国情緒が漂う街です。

美しい寺院と洗練された西洋建築、咲き乱れる花々…世界の他のどの街にも似ていない、ルアンパバーンだけの風景があります。


この街ではなんだか時間がゆっくりと流れているよう。

訪れた誰もが居心地の良さを感じ、思わずリラックスしてしまう魔力をもっているかのようです。

そんなルアンパバーン滞在で見逃せないスポットが「プーシーの丘」。

プーシーの丘とは、街の中心付近に位置する150メートルの小高い丘で、ルアンパバーンの街を一望できる場所です。

アマ・ルーシーとニョティカ・ルーシーという2人の仙人が神の導きでこの山にたどり着き、ルアンパバーンの街をつくったという伝説がから、「仙人(ルーシー)の山(プー)」と名づけられました。

登り口としてわかりやすいのは王宮博物館前の階段。

328段の階段をのぼると1804年に建てられた「タート・チョムシー」と呼ばれる黄金の仏塔が目に入ります。

ここが丘の頂上で、ほぼ360度ルアンパバーンの街が見渡せます。

まだあどけなさが残る修行僧も散策に訪れています。

ルアンパバーンにいると至るところで修行僧の姿を目にするので、ラオスの人々にとっていかに仏教が大切な存在なのかを実感します。

街中にいるとなかなかわかりにくいものですが、ここから見るとルアンパバーンの街が山々に囲まれていることがよくわかります。


世界中から観光客が訪れる世界遺産の街でありながら、自然と調和した素朴なルアンパバーンの風景に感動することでしょう。

観光地として名をはせるようになっても、自然と信仰を大切にしてきたラオスの人々の生き方がこの景色に象徴されているかのようです。

この丘は夕陽の名所として名高く、乾季(10月〜翌年4月ごろ)の夕刻ともなればメコン川に沈む夕陽を一目見ようと多くの観光客がここに集まります。

晴れた日の夕方にはぜひここからの夕陽を眺めてみましょう。

下山するときは来た道を戻ることも可能ですが、黄金の仏像や仏足の納められた岩穴が見られる反対側から下りるのがおすすめです。

単なるビューポイントに終わらず、文化的な見どころもあるプーシーの丘は期待以上に散策するのが楽しい場所です。

街を歩き、そして上からも眺めて、世界遺産の街ルアンパバーンを味わいつくしましょう。

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