ウズベキスタンの西部にあるオアシス都市・ヒヴァは、古代ペルシャの時代からカラクム砂漠への玄関口として栄えました。

「イチャン・カラ」と呼ばれる城壁に囲まれたヒヴァの旧市街は世界遺産に登録されています。

街全体が博物館のような旧市街、イチャン・カラの魅力をご紹介しましょう。

イチャン・カラは高さ約8〜10メートル、長さ約2200メートルの城壁に囲まれた小さな街。

城壁内に一歩足を踏み入れれば、そこは中世そのままの世界。

これほどまでに古い街並みがそのまま残っている場所は世界的にも珍しく、「こんな場所があるなんて!」と感激してしまうことでしょう。

世界遺産へのメインの入口が「アタ・ダルバザ」(西門)。

西門をくぐるとすぐ右手にあるのが「カルタ・ミナル」と呼ばれるミナレット(モスクの尖塔)です。

周囲の建物とは一線を画す鮮やかなブルーとグリーンのグラデーション、そして細やかに施された芸術的な模様…

さらに注目すべきはその形。高さがそれほどないだけに、不釣り合いなほどの太さが際立ちます。

それもそのはずで、このカルタ・ミナルは未完成のミナレットなのです。

1852年の着工段階では100メートルを超える高さになる計画でしたが、26メートルの時点で建設が中断されてしまいました。

当初の計画が実現していれば、壮大なヒヴァのランドマークになっていたはず。

そう考えるとやや残念な気はしますが、現在の短く太い姿もどことなくユーモラスで親しみがわきますね。

こちらは1830〜1838年に建てられた「タシュ・ハウリ宮殿」。

ヒヴァの建築物を代表する豪華な装飾が見どころで、内部は謁見や儀式のための公務の間、そして客人をもてなすための空間とハーレムにわかれています。

木彫りの装飾はヒヴァの伝統工芸のひとつ。壁や天井、柱に施された精緻な装飾に目を奪われます。

しかも異なるデザインや色合いを用いて変化がつけられているので感動もひとしおです。

続いて、17世紀に建てられた「古い宮殿」という意味をもつ「キョフナ・アルク」。

18世紀末ごろ、城内にはハーン(君主)の執務室や応接室、モスク、造幣所、兵器庫などさまざまな空間があり、さながら小さな町のようでした。

ここにある見張り台からはヒヴァの街を見渡すことができます。

グリーンのドームが鮮やかなのは、「パフラヴァン・マフムド廟」。

毛皮職人であり、詩人で哲学者でもあったパフラヴァン・マフムドが眠っている霊廟です。

中庭には泉が湧き出ていて、この水を飲んだ男性は強く、女性は美しくなると言われています。

せっかくヒヴァに行くなら日中だけでなく、ぜひ早朝も街を歩いてみることをオススメします。

日中はあちこちにお土産物の露店が並んでいますが、まだ日が昇ったばかりの早朝なら露店はなく観光客もほとんど歩いていないので、まさにタイムスリップしたかのような旧市街そのものの雰囲気が味わえます。


街全体が博物館のイチャン・カラはただ歩くだけで絵になる風景の数々に出会えます。

これまでに行った他のどの場所とも違う街並み、その異国情緒にはきっと感激するはずですよ。

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