これまで個人が離れた地点まで飛行機で移動しようと思った場合、一部のリッチな人を除けば空港へ行き、商業的に運行される航空機に乗るのが一般的でした。しかし、空港まで行く時間や移動距離、それに離着陸のスケジュールに合わせて移動するのってある意味無駄だと思いませんか? ドイツで開発が進んでいる二人乗りの垂直離着陸が可能な電気飛行機「Lilium Jet」は、そんな個人による移動に革命を起こそうと目論んでいます。
 
Lilium JetはESA(欧州宇宙機構)のビジネスインキュベーションとして計画が進められています。操縦はフライ・バイ・ワイヤによるジョイスティックで行ない、最高速度は400km/hで移動可能距離は500kmに達します。着陸装置は折りたたみ式で、ドアはガルウィング方式。一般向けの販売は2018年以降を予定しているとのことで、意外とLilium Jetを実際に目にする日は近そうです。
 

 
通常VTOL機と言えばプロペラやジェットエンジンで飛行しますが、このLilium Jetは排気を吹き出すダクテッドファンエンジンを利用します。この排気の方向を変えることで、垂直での離着陸や水平飛行を可能にするんですね! 
 
またこのような飛行機はヨーロッパでは「ライトスポーツエアークラフト」に分類され、免許の取得も簡単に行なえます。さらに飛行機の操縦に慣れていない人のために、離着陸はコンピューターが自動で行なうことで事故を減らす工夫もされています。
 

 
Lilium Jetを開発しているミュンヘン工科大学などのチームは、フルスケールの機体による初飛行を2017年に行ないたいとしています。現時点での一台あたりの価格は不明ですが、同サイズの飛行機よりも「ずっと安い」とのこと。
 
こんな小さな飛行機で通勤や通学ができるとしたら、それこそSFのような世界ですね!
 
Image Credit: Lilium Aviation
■Lilium electric jet: VTOL air travel for the masses?
http://www.gizmag.com/lilium-electric-vtol-jet-aircraft-esa/43191/?utm_source=rss&utm_medium=rss