本田圭佑が所属するミランのサポーターは、ますますシルヴィオ・ベルルスコーニ会長への不満を募らせている。ついに、同会長にクラブ売却を求める「シルヴィオ、売れ」というキャンペーンも始まった。すでに30万人以上が賛同しているという。イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』が伝えた。

ミランは4月、会長主導でシニシャ・ミハイロビッチ前監督を解任し、ユースを率いていたクリスティアン・ブロッキ監督を昇格させた。だが、新チームは4試合で1勝2分け1敗と苦しんでいる。しかも、残留を争う格下相手に勝てていない。最下位エラス・ヴェローナに逆転負けする始末だ。

ベルルスコーニ会長は「ミランがこんなひどいプレーをするのは見たことがない」とミハイロビッチ戦術を酷評したが、自身が好む4-3-1-2を採用するブロッキ監督の戦術は、ファンやメディアからこき下ろされている。

2011年にセリエAを制したミランだが、近年獲得したタイトルはこの1つだけ。サポーターも堪忍袋の緒が切れつつある。ベルルスコーニ会長にクラブ売却を求める声は以前からあったが、現在の体たらくに、いよいよ決断を下すときが来たと訴えているようだ。

「SilvioVendi」（シルヴィオ、売れ）というハッシュタグでベルルスコーニ会長にクラブ売却を求めるファンは、“ネット民”としてではなく、顔を出してクラブに主張を突き付けている。各サポーターがセルフィー（自撮り）とともに、「SilvioVendi」というメッセージを掲げているのだ。


サポーターグループの代表は、『コッリエレ』で次のように述べている。

「オレたちはキーボードの前だけでライオンのようにいきがっているわけじゃない。ニックネームで身を隠すこともしない。この悲劇的な状況が終わり、ミランが解放されるために、オレたちは顔を出しているんだ」

ミランファンの怒りは、「政治家ベルルスコーニ」にも向けられている。会長の公式アカウントや、ベルルスコーニ氏の政党「フォルツァ・イタリア」の公式アカウントにも、ミランサポーターの主張が寄せられているのだ。

「今のベルルスコーニが関心あるのは主に政治だから、オレたちはそこに“突撃”したんだ。会長にオレたちの声を聞かせなきゃいけない。彼は数字に敏感だから、いろいろなグループをまとめて、もっと強力な一つの共通の声にするつもりなんだ」

ミランはかつて、ベルルスコーニ会長の下で黄金期を謳歌した。サポーターグループの代表も、それは忘れていないという。だが、もうベルルスコーニの時代は終わったと断じた。

「この3年のことばかり騒がれるけど、実際には9年前からダメなんだ。2011年にスクデットを1回獲得したのと、あとはスーペルコッパだけじゃないか。ミランにふさわしい結果じゃない。オレたちは恩知らずじゃないけど、30年愛したって、妻が浮気したら追い出すだろう？　もちろん、責任があるのは監督たちじゃない。ガッリアーニ（CEO）の運営が悪くて平凡なチームでしかないことがいけないんだ。それを認めてきたベルルスコーニも責任がある。今は、ページをめくるときなんだ」