元イタリア代表監督のマルチェッロ・リッピ氏が、同代表のスーパーバイザーに就任するという。本田圭佑が所属するミランは、また次期監督候補を失ったのだろうか。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じている。


2006年のワールドカップ（W杯）でイタリア代表を世界王者へと導いたリッピ氏は、2010年の南アフリカW杯でグループステージ敗退の屈辱に終わった。だが、その後広州恒大の指揮官として、アジア・チャンピオンズリーグを制している。

報道によると、そのリッピ氏がイタリア代表のシステムを再構築するためのスーパーバイザーに選出されたという。イタリア代表はアントニオ・コンテ監督がEURO2016終了後に退任するが、リッピ氏は新監督の選定にも関与するとみられている。

リッピ氏がイタリア代表のスタッフになれば、ミランは有力な監督候補を失うことになる。シニシャ・ミハイロビッチ前監督を解任し、クリスティアン・ブロッキ監督を昇格させたミランだが、新体制では3戦1勝1分け1敗。コッパ・イタリア決勝で王者ユヴェントスに勝てなければ、続投は不可能と言われている。その後任として関心が噂されていた人物の一人が、リッピ氏だった。

リッピ氏は1月もミハイロビッチ氏の後任候補として騒がれた人物だ。また、ミランは現在、中国企業への身売りも注目されているが、交渉相手と言われるジャック・マー氏は広州恒大のオーナーである。それだけに、ブロッキ監督が続投しない場合の有力候補に挙げられていたのだ。しかし、イタリア代表のスーパーバイザーになれば、その可能性は消滅する。

ミランは先日、リッピ氏と並ぶ有力候補も失っている。サッスオーロのエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督だ。ミランに勝ち点1差の7位につけるサッスオーロを躍進させた功績と、攻撃的なサッカーを志向することから、シルヴィオ・ベルルスコーニ会長のお眼鏡にかなったと言われる同監督だが、「混乱しているところには行かない」と暗にミランを批判。サッスオーロとの契約を延長した。

一時はサンプドリアのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督への関心も噂されたミランだが、サンプドリアは同監督の慰留を強調している。

コッパ・イタリアでブロッキ監督が優勝できず、だが有力な次期監督がいなかったら…ミランはそのとき、どのような決断を下すのだろうか。マンチェスター・シティ退団が決まっているマヌエル・ペジェグリーニ監督への関心も噂されるが…？