ファミコン画面立体化エミュレータ「3DNES」ベータ版公開。思い出のゲームをリアルタイムに3D変換してプレイ

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ファミコンソフトの画面を強制的に3D化するエミュレーター「3DNES」が公開されました。現在ベータ版の 3DNES は、「スーパーマリオブラザーズ」や「ロックマン」「魂斗羅」のようなジャンプアクションものをリアルタイムに 3D 画面に変換して表示します。

【ギャラリー】3DNES (8枚)

多重スクロールが広まる以前のハードだった初代ファミコンは、ゲームの背景となる面が1枚しかありません(スーパーファミコンだと最大4枚)。このため 3DNES では、背景画像とブロックなど画面上のオブジェクトを解析するアルゴリズムを搭載することで自動的に立体表示への変換を可能としています。

動画では、まず冒頭に「Dr.Mario」の画面が現れます。ここでは、チェック柄の周囲ブロックを背景ではなくオブジェクトとして認識し、画面中程の設定情報を背景として表示しています。3D化しているため、表示確度はグリグリと変更することができ、この画面に関しては比較的うまく3D変換できていることがうかがえます。
  
一方、比較的複雑な背景画を持つコナミの「魂斗羅」では、まずタイトル画面で主人公キャラがどこかからワープしているかのような押し出し感を伴って描かれるもののあまりうまく行っているとはいえません。ただ横スクロールのプレイ画面では足場の部分がしっかりと遠近感を伴って立体化されています。とはいえキャラが水中を進む場面では水の表現に混乱も見られ、全体的にはまだまだと言った印象。魂斗羅特有の、画面奥の方向へと進む擬似3D面では、強制的な3D変換は控えられ、キャラが半透明になってしまってはいるものの素直な画面表示を見せます。
  
動画ではほかにもいくつかのゲームをデモしています。特に背景の単純な「ロックマン」や「スーパーマリオブラザーズ」では、かなりの精度で立体化が機能しており、このまま遊んでみたいと思わせる出来。一方、背景オブジェクトのテクスチャが細かい「影の伝説」などでは、キャラが完全に背景の向こう側に行ってしまいゲームどころではなくなる場面もちらほら。グラフィックが秀逸な「悪魔城ドラキュラ」もやはり背景とオブジェクトの区切りが難しいようです。

3DNES を開発する Geos Studio は、アルゴリズムの開発において、「スーパーマリオブラザーズ」を基準としていることを明かしています。このため、「魂斗羅」や「悪魔城ドラキュラ」のようなリアル志向のグラフィックを持つゲームでは背景とオブジェクトの認識にさらなる開発が必要であることを認めており、今後ベータ版を重ねる上で改善していくべきポイントとしています。3DNESは Unity WebGL Player を使用しており、Firefoxブラウザー上で動作が可能。ただ我々がそれを使ってテストプレイをするにはエミュレーター用のゲーム ROM が別途必要です。また WebGL Player は度々動作が不安定になるため、Geos Studio では今後、実行形式での配布も検討するとしています。